プロです!と名乗ること

近頃、というかずっと考えていること。
『プロ』の定義とは何ぞや、ということ。
今日は「プロって何ですのん?」ということについてつらつら書き連ねてみます。

『プロ』の定義って?

Wikipediaから引用すると……

プロフェッショナル (:Professional)、略して「プロ」は、本来の意味は「職業上の」で、その分野で生計を立てていることを言い、「公言する、標榜する」が語源である。

(引用元:Wikipedia – プロフェッショナル

どうやら、一言でいうと「生計を立てること」これが『プロ』らしい。
わかりやすいですね。

生計を立てるってのもまた曖昧な線引きで、ひとまず会社員時代の私はプロと言える。Webの専門職でお給料をもらって生きてたものね。
今はお給料をもらえなくて、ぶっちゃけWebの仕事だけでお金をいただいて生きているわけではないので(Web以外の制作とか占いもやってるしさ)、この定義だと『Webのプロ』とは言えなくなってしまう。

で、本日Twitterで見かけたこのツイート。

この定義でいくと、会社員時代の私はプロというには心許ない。
だって、クライアントは私個人じゃなくて会社にお金を払うのだもの。会社の規模や実績を見て、「この会社ならパートナーとして良いだろう」と選んでいただくのだもの。

そう、この「クライアント自体も企業として、パートナー企業を選んでいる」という前提がずうっと心の中にあったから、会社員時代の私はある意味気楽だった。
何かがあったとしても、企業同士のお話になるからさ。個々人のアレコレはひっこめるからさ。

反面、「ももねこさんだからお願いしたい」「この予算をももねこさんにお任せします」とクライアント側の担当者さんに言ってもらえる案件は、“私個人をプロとして選んでいただけた”という実感がどんどこ湧いてきて、仕事に対する熱も上がったし、まーいい仕事したよね。いい仕事残したよね。ここは自画自賛できるよね。

で、フリーランスになった今、「DUCK WORKSさんだから/ルミKheさんだから/ももねこさんだからお願いしたい」と依頼をくださる方しかいなくなったわけです。
言葉にはせずとも、「何か面白そう/何かええ感じ/ちょっと賭けてみたい」……的な、期待感的なものを持って、企業ではなくDUCK WORKSを、ルミKheを、ももねこを選んでくださる方々ばかりになったわけです。

先日、DUCK WORKSに対する信頼を言葉にしていただく機会がありました。
あーーー会社を辞めて良かったなぁ!と、心の底から思いました。
や、会社勤めが悪いんじゃないです。会社勤めは会社勤めでたくさんメリットがあるし、個人では絶対にできない経験や仕事があるのです。10年超勤めて良かったなと、これも心の底から思っています。
というか、会社勤めをした10年超があるからこそ、とんでもなくありがたいお言葉をいただけたのですよ。本当に。

定義の話に戻ります。
上の定義でいくと、今の私の方がプロと言えますね。

でもでも。
生計をきちんと立てられないかぎりは、自分の人生に責任が持てないかぎりは、どんなにお金をいただいて・信頼していただいて・選んでいただいたとしても、『プロ』としては足りないんじゃないか、と思います。
ほら、宇多田ヒカルも言ってた。「(売れることと自分が作りたいものを作ること)両方できる人をプロって言うんじゃない?」って。

そう、プロってのは、「自分自身の価値を提供し、相手に喜びをもたらす人」「自分にも相手にも責任が持てる人」のことを言うのではないかと、最近とみに思うのです。

もうひとつの『プロ』の定義

Wikipediaに記述されているように、どうやらプロフェッショナルというのは「公言する、標榜する」が語源だそうです。

ってことは、「私はプロです」と言っちゃえばそこでプロなんですね。きっと。
生計を立てるだの選んでいただくだの、そういう基準は曖昧なもんですから、「私はプロです」って言っちゃえばプロになれるのだ。きっと。

ここで誤解なきように補足します。
私が言いたいのは、自分を誇示したりハクをつけるために「プロです!」と言い張ることではなく、「私はこの分野において、正当な自信と知識・技術・経験を持ち、そして覚悟があります」というのを伝えるために『プロ』を名乗る、ってこと。

学生の頃や、まだまだ社会人になりたてだった頃は、何でもいいから経験が欲しかったし、認めてもらいたかったし、だからこそどんなにナメたクライアント・ナメた条件の仕事でも喜んでやってた。っつーか、「学生・新人を使ったら安上がり」っていうナメた感じが丸見えだったとしても、「学生・新人だからナメられて当たり前(プロに及ばなくて当たり前)」っていう、ある種の甘えの下に受注してた。

でもね、私たちの場合、そういう段階はとうの昔に過ぎている。
だから、堂々と「アマチュアです!経験を積ませてください!」なんて、言えないし言っちゃいけないのだ。アマチュアという言葉に甘えてはいけないのだ。
そんなの、私たちを相手に面白いお仕事を、企画を、依頼をくれる人たちに、めちゃくちゃ失礼なのだ。

良いクライアントは、発注のプロである

これは自戒のひとつでもあるのですが、クライアントとして何かを発注する際、やたらと値切ったりやたらとおまけを欲しがったり、もっと言うと契約が締結してから追加料金ナシで要望を追加したりする=相手に安い仕事を強要すると、一気に自分と自分の仕事の価値が下がります。
これで失敗した先輩や上司やクライアントを度々見てきたので、そこにはワタクシ恐怖心があります。

良いクライアントというのは、とにかく発注が上手なのですよ。
自分のやりたいことと叶えたいこと、自分が払える額、そして相手への信頼をとても上手に天秤に載せることができるのです。もちろんリスクヘッジも含めてね。

こういうクライアントは隠しごとがないし(あったとしてもそう思わせない振舞い)、交渉上手で会話がクリアだし、だからこそこちらも真っ向から奉仕できるし、その結果、お互いにいい実りを残せるのだ。

だから、私自身、DUCK WORKS自身、受注側としても発注側としてもプロでいたいと思います。
もろもろ背負う覚悟をして、そしてわくわくを最大限に膨らませていけるように、いろんな人たちと相互に面白くて楽しいことができるように、豊かになれるように。

ほいで、この記事をもって、大々的に『プロ』という言葉を掲げるのは一旦やめることとします。
この言葉を、もっともっと大事にしておきたくなったので。
でもって、プロだけじゃなくてエキスパートやスペシャリストって言葉たちも、自然とからだや心や態度や仕事に染み出るよう、精進を重ねます。
よろしくお願いいたしまーーす!

……とか言いながら、まだまだ『プロ』って何だろう?私は一体何なのだ??って悶々とするのだろうなぁ。
というか、『プロ』にも段階があって、段階を踏むたびにこの言葉を一生こねこねし続けるんだと思います。
これからもよろしくな、『プロ』!