【読み】ウィルド・ブランクルーン
【意味】運命・宿命・必然
【神】ノルン(運命の女神)
北欧にて筆記文字や呪術文字、占いの用途で使われてきたとされているが、未だ謎が多い古代の文字「ルーン」。個人的に占いで使う中で感じた自分なりの解釈を勝手気儘に一文字ずつ乗せていこうと思います。今回はウィルド。
基本の意味
「ウィルド」は何も描かれていない空白のルーンです。
このルーンは、ルーン文字が出来た当初は文字として認識はされていなかったと思いますが、どこかのタイミングで占いとしてルーンを用いる際に使われるようになったものではないかと思われます。なので、ルーン占いをする際にこのウィルドというルーンを使用せずに行っている方もいるかと思います。
ウィルドは北欧神話にて運命の女神である「ノルン」を意味するとされています。ノルンとは運命を定める三姉妹の女神達の事です。ウルズ・ヴェルザンディ・スクルドの三姉妹は、それぞれ、運命・存在・必然を意味するというところから、このルーンの意味につながっているのではないでしょうか。
三姉妹はこの世に生を受けた子供に寿命を定め、運命を与えていました。運命という定められた大きなもの、自分がどうにかしようと足掻いてもどうにもならないもの。それは辛いものであるかもしれないし、喜ばしいものであるかもしれない。そういうものがこの世にはあり、それらの前ではただただそれを宿命として受け入れるしか無いのかもしれません。このルーンは目の前に現れたその状況をそのまま受け入れる強さを持つ事の大切さを教えてくれそうです。逃げるでも戦うでもなく、それをそれとして受け入れる事。そんな心構えを持つという視点が大事なのではないでしょうか。
占いでウィルドが出たら?
正位置で出た場合
- どんな状況でも受け入れる強さを持つ
- 運命的なめぐり合わせ
- 何か大きなタイミング
- 物事の変化。ゼロからのスタート
- 新しい気持ちではじめる
- 未来を自由に思い描く
逆位置で出た場合
何も描かれていないルーンなので逆位置はありません。
ウィルドの考え方
「運命」と聞いたとき何を想像するでしょうか。「運命として決まっているのだから仕方がない」と、なんだか諦めるような気持ちになったり、「これは運命よ!」と奇跡的な引き合わせのように感じたり、と人によって持つ感覚は違うでしょう。運命なんて信じない!なんてこともあるでしょう。
きっと「運命」の受け止め方次第でこのルーンへの想い方も変わってくるのではないかと思います。とはいえ、「運命」を「自分では変えられないこと」とした時に、どう想おうが「受け入れるしかないこと」とも捉えられるかと思います。
そうであれば、今起こっていることやこれから起こることに、どうなるのだろうと不安に思ったり、ソワソワしても仕方がなさそうですよね。とりあえず、目の前のことを受け止めましょうといったメッセージにも感じられます。何が起きても腹をくくれよ!みたいな印象もありますね。
ウィルドから考えられることは、「まずは自分の運命を受け入れる」そこから行動なり何なり次のことを考えるといった順番が大切なのではないかという事です。
そして、このルーンは何も描かれていない、つまりまっさらなゼロの状態です。運命を意味することもあり、何かしらのタイミングであるともいえます。つまり、新しいスタート地点にたったとも捉えられるのではないでしょうか。ここから新しい気持ちではじめるんだという心意気で今を受け入れてみると良いかもしれませんね。過去のことよりも、これから思い描くものに意識を向けたほうが良いともいえるでしょう。
「これから」を、きちんと意識するために「今」を受け入れる。そんなことを考えさせてくれるルーンです。