アナロジーなアイディア発想法について

細谷功さん著書の「アナロジー思考」を読みまして、その内容をぜひ積極的にアイデア発想にとりいれていきたいと感じましたので、アナロジーなアイディア発想方法についてご紹介させていただきます。
「独自性のあるコンテンツやユニークなアイデアを生み出したい!」そんな時に取り入れたい、ゼロから発想するのではなく他から借りてきて発想する方法です。

アナロジーとは

まず、アナロジーとは何なのか。
日本語で類推(るいすい)を意味し、類似のものから推し量る事です。
特定の事物に基づく情報を、他の特定の事物へ、それらの間の何らかの類似に基づいて適用する認知過程をさします。

どういう場面でアナロジーが活かされているか

アナロジー(類推)が活かされる場面としては以下の3つがあげられます。

1.自分が理解する時(今までの体験など)

あの時のアレに似ているから今回もココは一緒だ!

2.他人へ説明する時(比喩など)

○○をする時のようにやってみてください!

3.新しいアイデアを発想をする時

既にあるアイデアを元に発想!
そして、今回は3番目の「アイデア発想」の場面についてです。

アナロジー思考での発想とは

アナロジー思考を活かしてアイデアを発想するという事は、ゼロから考えるのではなく既にあるものからアイデアを借りて発想する事となります。ポイントとしては、近いところから借りてくるのではなく遠いところから借りてくる事で、よりユニークなアイデアになるといわれています。
では、「遠いところから借りてくる」とはどういう事でしょうか。
まず、表面的にも構造的にも似ていないものはアナロジーな発想に結びつかないですし、逆にあまりにも似ているものも考える必要が無いといえるとの事です。
表面上は似ているが構造上は似ていないものは、音は似ていても構造的には違うものであり表面的な類似といえます。
例えば、おやじギャグや駄洒落のように音だけが似ているものとなります。
そして、表面的には似ていないが、構造が似ているものは一見して類似性がわからないので、なかなか気がつかないが実は構造が似ているという領域です。これが「遠いところから借りてくる」といえる領域といえるようです。
例えば、謎かけのように音は似ていないがその内情が似ているのものがこれにあたるそう。
例)のれんとかけてセールスマンととく。その心は?・・・・・・外に出てれば営業中
つまり、アナロジーな発想とは、謎かけの様な思考において追及すべき価値があり、この領域をどこまで発見していけるかがアナロジーな発想での成功要因といえるのではないでしょうか。

アナロジー思考が活かされている事例

調べてみると、世の中にはアナロジー思考を活かしているアイディアが溢れています。その中から3つほどわたくしピックアップでご紹介。

1.回転寿司

ビール工場の見学で、ベルトコンベヤーの上をビンが流れていくのを見て、寿司の基礎となる「コンベヤー旋回食事台」が開発されたそうです。これにより人件費削減や回転率アップにつながったそうです。
隣のお寿司屋さんでやっている事を真似すると単なるパクリとなってしまう事もありますが、ビール工場からアイデアを借りてくる事でとてもユニークで画期的な発想となります。

2.ハニカム材

蜂の巣の構造の強さの応用により、新幹線の床、人工衛星の壁、飛行機の翼等々、様々なものが改良・実用化されている材質です。自然界の仕組みからアイデアを借りてきて開発され、その後様々な分野で応用・展開されている例です。

3.ジャスト・イン・タイム

トヨタ自動車では、スーパーマーケットからヒントをえて顧客の必要とする品物を、必要なときに、必要な量だけ在庫し、いつ何を買いにきても、良い品揃えをしておく方式をとりいれたそうです。自動車の生産と全く関係のない異分野の仕組みに着目して取り入れた事で、合理的でコストダウンも実践された例です。

アナロジーな発想に必要な事

アナロジーな思考においては、意識的に行う多様な知識体験・物事を構造化する力・結びつける力それらを強化していく事で、発想力が育つのではないかと考えられます。
他からアイデアを借りてくる為には、多様な知識体験がなくてはなりません。それは多くあればあるほどアイデアが生まれるチャンスが広がるといえます。そして、その知識体験の中からいつでも引き出せるようにしておく事が大切となります。
また、引き出した物事を構造化し、結びつける力も必要となります。
例えば、リンゴとイチゴは違う種類の食べ物ですが「フルーツ」というくくりや「赤いもの」というくくりでみると「異なるけど同じ」という解釈になります。このように、抽象化して結びつける、この解釈を自由にしていく事で独自のアイデアを生み出す事に繋がるといえそうです。
そのままストレートにアイディアを生み出そうとするのではなく、他の場所へ目線をズラして、そこに活かせるものは無いかと考える事が重要となります。なので、自分の知らない業界など幅広い知識が必要となりますし、日常の中で様々な事に興味を持って覚えておく事で発想に役立てる事が出来るのではないでしょうか。色々な人と興味を持って話すのも大事ですね!
この発想法においては、頭の中で自由に物事を捉え、遊んでみる事が重要な事といえます。
ひとつの事に囚われすぎず、様々な角度で物事を捉え楽しむ事。それが発想の広がりの元になるのではないでしょうか。
私の今の仕事であれば、コンセプトメイキングやコンテンツ企画等でこのような発想法は大いに活かされていくと思います。
しかし、それだけではなく何かしらの仕組みづくり、日々の仕事の方法や生活の中、あらゆる場面にてアナロジーな思考での発想は画期的なアイデアを生むものとして活かしていけるのではないかと思います。
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