ルーン文字ってどんな文字?

むかーしむかーし、実際に使われていたとされる神秘的なイメージの強いルーン文字。『ハリーポッター』や『ミッドサマー』、その他様々な映画や漫画に登場しているので、「なんとなく見たことがある」という方も多いかもしれません。

ルーン文字

今回は、そんなルーン文字とは一体どのようなものなのか簡単にご紹介したいと思います。

ルーン文字の歴史

ルーン文字のはじまりは紀元後100年~200年頃で、中世後期まで生き延びた文字だといわれています。この文字は、ラテン語が使われる前からゲルマン人が用いていたとされています。ルーン文字で記された碑文が広範囲で残っている事から、ルーン文字はヨーロッパ大陸やその周辺のかなり広い範囲の地域で理解されていたといわれています。

ルーン文字は未だに様々な点で謎が多く解明されていない事が多いようです。その事もあって、よりミステリアスな魅力が高まっているともいえそうです。

ルーン(rune)とは、ゴート語での「秘密」を意味するといわれていますが、アイスランド語のuunのでは「ささやく」「秘密」「神秘」を意味するとなっており、ルーン文字と共にその意味付けが出来てきたのではとも思えます。

また、ノース人の信仰に基づく神話である「北欧神話」では、最高神であるオーディンが世界樹のユグドラシルで9夜にわたり首を吊り、槍が身体を貫き「自らに自らを捧げる」という、生死の境をさまよう中でルーン文字をつかみとったと詩のエッダ(神々と英雄の詩扁)ではされています。神々がルーンの呪術を使っている記述はたくさんあり、神話の中でとても強い力を持った文字として扱われていたようです。つまり、北欧の人々はルーン文字を神々が与えてくれた贈り物のような形でみていたのではないかとも言われています。

ルーン文字の使用用途

ルーン文字が使用されていた時代の用途としては、以下の3つが挙げられると言われています。

  • 日常の筆記文字としての使用
  • 呪術の文字としての使用
  • 占いとしての使用

筆記文字としてのルーン文字

魔術的な用途のイメージが強いルーン文字ですが、実際はそれだけではなく読み書き用の文字として日常的に使われていたようです。
筆記文字として、伝達手段として使われていたり、詩を書き留める為に使用されていたり、歴史を石碑に刻むための文字として使われていたとされています。

呪術文字としてのルーン文字

もしかしたらルーン文字といえば、この使用法のイメージが一番強いのかもしれません。
ルーン文字を並べた呪術やルーンを組み合わせてシンボル化した呪術「ルーン・ガルドゥル」として呪術文字としての使用が実際されていたようです。

ルーン・ガルドゥル

呪術の方向性としては、病気や危険からの防御や、恋愛や出産の祈願、自分に力をもたらすような願いを込めた善意での形と、相手に危害を及ぼすような事を願った正に「呪い」のイメージにあたるような悪意の形での方向性があったようです。

その様な魔術のイメージが強い事から、現在でもモチーフとして占いやゲームや映画にて登場し、その魔術的なイメージは一層高まって愛されているように感じます。

「呪術文字としてのルーン」については以下の記事にも記載しています。
▼ルーン・ガルドゥルについて
https://duck-works.com/rumikhe/runegaldr/
▼現代でも気軽にルーン文字を「おまじない」や「お守り」として使う方法
https://duck-works.com/blog/rumikhe/rune-magic/

占い用としてのルーン文字

古代ゲルマン民族について記した『ゲルマーニア』の内容の中に、ルーン文字が占いとして使われていたのではないかと思われる記述があるようです。細かい手法はわかりませんが占いの儀式を通して神々に助言を仰いでいたのではないかといわれているようです。

そして、現代でもルーン文字は、少し形を変えつつ「ルーン占い」として親しまれています。

「ルーン占いの方法」については以下の記事にも記載しています。
▼古代のルーン占いの方法って?(古代の方法)
https://duck-works.com/blog/ancientrunemethod/
▼ルーン占いをしてみよう!占いの方法をご紹介(現代の方法)
https://duck-works.com/blog/how-to-do-rune-fortune-telling/

ルーン文字の特徴

文字の形状について

ルーン文字の特徴としては文字が直線で構成されている事があげられます。これは何かに刻むため、つまり彫刻用にこのような直線で表現できる構成になっているといわれています。
ルーン文字が刻まれたものとしては、武器や護符や石碑・宝石・貨幣などが見つかっているようです。木版に書かれたものの多くは消失しているようで、わずかに木や金属に刻まれたものも見られるそうですが、大半は石に刻まれたものが多く見つかっているそうです。
多く見つかったとされる石碑は、ヴァイキング時代に作られたものが多いそう。こちらは、記念碑であったり死者を追悼する目的で作成されていたようです。

文字の構成としては、文字の胴体となる「幹」とそこから延びる「枝」の2つの要素で成り立っています。(中には幹だけで構成させれているものもあります。)


ちなみに、ルーンは縦の線と斜めの線で構成されており、横の直線がありません。これは木に刻む際に木目に重なってわからなくなるからではないかとかなんとか…

文字の意味について

ルーン文字はそれぞれ一文字ずつに音だけでなく、名前と意味を持っています。
フェフ(fehu)であれば財産や家畜を表し、ウルズ(uruz)であれば野生の牛を表していたと言われています。
ヴァイキングが武器に勝利を意味するルーン文字(ティール)を刻んでいた事は有名ですが、それぞれ文字の意味合いを踏まえて呪術や占いに使用していたのではないでしょうか。

▼占いで使用する際の意味一覧はこちら
https://duck-works.com/b

時代と共に変化してきたルーン文字

ルーン文字は数世紀にわたって変化しながら使用されてきた文字だそうです。
その中で、大きく3つの段階でそれぞれの文字の形態があったといわれています。

ゲルマン共通ルーン(古北欧型ルーン)

ゲルマン共通ルーン

最も古くて原形となったのが、「ゲルマン共通ルーン」。24文字で成り立っています。

北欧ルーン(ヴァイキング時代型ルーン)

長枝ルーン
短枝ルーン
点付きルーン

スカンジナビアで独自のルーンが発達し16文字に変化し、ヴァイキング時代の文字改革で文字が24文字から16文字になったそうです。
いくつかの字体があるようですが、長枝ルーンと短枝ルーンという2つのルーンが誕生しました。(その違いは見た目の違いから)


そして、10世紀末か11世紀はじめには、限られた範囲で「点付きルーン」というものが使用されていたらしいです。

文字の内側や上に点がうってあり、これによりのその音を正確に表すようにしていたと言われています。

アングロサクソンルーン(アングロ・フリージア型ルーン)

アングロサクソンルーン

スカンジナビアでは16文字に変化しましたが、オランダとイングランドでは24文字から28文字へ。さらには31文字、33文字とその数を増やしたそうです。(11世紀中には廃れた)

このように時代ごとに文字数や形を変えてきたルーン文字。
それぞれの時代によって少し音の読み方や意味も違うようです。
現在占いでよく使われているのは、24文字のゲルマンルーンかと思われます。私もこのルーン文字を使用しています。とはいえ、ゲルマンルーンの意味は、後に(中世に作られた文字の意味を通して)意味合いなどが推測されたものだそうなので、当時本当にその意味で使用されていたかどうかはわからないようです。ルーンは大体謎に包まれていますね……。

ルーン・アルファベットについて

時代によって音や意味は少し変わっていっても、ルーン・アルファベットはいつの時代もフサルク(fupark)と呼ばれています。それは、最初の文字がそれぞれその6文字であるからだそうです。

フサルク

フサルクは3つのアティル(AEttir)古アイスランド語で8つずつのまとまりを意味するものからなっており、それぞれ3つの組が、フレイヤ・ヘイムワズ・ディワズという北欧の神々の名がつけられているようです。

という事で、現代では謎だらけで神秘性が先行している中ではありますが、刻むための文字として直線的で無骨とも思える形状に力強さを感じ、まだまだわからない事が多いながら歴史を残すものとして沢山の場所に残っているルーン文字。ロマンを感じずにはいられませんね。

参考:
ルーンの教科書―ルーン文字の世界 歴史・意味・解釈
ルーン文字:古代ヨーロッパの魔術文字 (アルケミスト双書)
いちばんわかりやすい 北欧神話 (じっぴコンパクト新書)

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