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視点が変われば『世界』が変わる……かもしれない – 大アルカナ 世界

大アルカナ『世界』は、同じく大アルカナの『愚者』から始まるタロットの旅のゴールです。さまざまな経験を経て「統合・完成・結末」にたどり着いた、大団円!といった状態を示します。このカードが出たときは、何かがまとまった・完成した・終わったという認識を持って、該当の事象を観察してみると、有用な発見があったりします。

タロット 大アルカナ 世界

今日、友人から電話がかかってきました。ざっくりまとめると「数年前に願っていたことがつい最近叶っていたことに気づいた」という話でした。この「気づいた」というのがキモで、気づいたおかげで「素敵なことがあった」ことになり、気づかなければ「何も起こらなかった」ことになります。

思い起こしてみると、人生にはそういった事象が多々散りばめられているように感じます。私も先日、ネットで購入したとあるモノについていたおまけが、買った当初は使い道がないように感じていたのに、近頃の状況と改めて照らし合わせてみると「いやこれめっちゃ使えるわ!」となりました。他にも、欲しいモノができてそれについてよくよく調べてみたら、数年前に入手したモノが欲しいモノの要件を満たしていたりもしました。

ひとつひとつを取ると大したことがない些細な話ですが、「過去」の私が何の気なしに入手したモノが、「未来」の私の望みを叶えてくれたのです。それは言い換えると「過去」の私にはなかった知識や経験が「未来」の私に至るまでに積み重なり、「過去」の私では気づけなかった“モノの力”に気づくことができた、とも言えます。

『世界』のカードには、似た図柄のカードがあります。同じく大アルカナの『運命の輪』です。『運命の輪』は中央に大きな輪が描かれており、その外側には『世界』と同じように4種類の生物らしきものが描かれています。それらは一色で塗られ、それぞれが本を読んでいる姿です。ざっくり『世界』と『運命の輪』の四隅を紐づけると、『運命の輪』で勉強中だった未熟な生物たちが、成長を経て『世界』で一人前になった、というイメージが湧きます。

先ほどの私の話であれば、モノを入手した当時の「過去」の私(運命の輪)が、さまざまな経験を得て「未来」の私(世界)にたどり着き、過去にはなかった視点や考え方を用いてこそ、数年前に買ったモノたちの力に気づいた……という風に表現できます。

物理的には変わりなくとも、それに触れる自分自身の視点が変われば、物理的な事象の捉え方も変わります。すると行動が変わり、感じ方が変わり、考え方が変わって、物理的な事象もまた変化します。外からやってくる物理的な変化は目に見えるのでわかりやすいですが、そういった変化ばかりが起きるとは限りません。内から生じる感覚的な変化に気づけば、そこから物理的な変化を生み出すことができます。

前述の友人の話も、友人自身がその事象に対してサラッと流せば特別なことは何もなかったでしょう。友人が「あっこれは!」と気がついたから、「素敵なことがあった!」と電話でお知らせしてくれたのだと思います。友人との他愛ない会話の中で、この友人のように暮らしの中の些細な事象にやさしく敏感なまなざしを向け続けると、素敵なことがたくさん発見できるよね、楽しいよね、この世界!という喜びを得ました。いい日だな、今日は。

何だか回りくどい感じになってしまいましたが、今回のエピソードと『世界』をつなぐキーワードは「視点」です。暮らしを、この世を観察する角度をさまざまに持つこと、積極的に奇跡を見つける姿勢を持つこと、そうすればきっとほんの少しあなたの周りの「世界」が広がると思います。

記事を書いた人

小濱香織(ももねこ)OBAMA KAORI

文章を書いたりコードを書いたり喋ったりする人。 このコラムでは主に占い(タロット・西洋占星術)の記事を書いています。 園芸とアクアリウムと自転車とバスケ観戦が好き。 とにかく楽しく生きています。

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