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自分の仕事で立つ – 小アルカナ ペンタクル9

『ペンタクル 9』には、ぶどうがたわわに実った庭に立つ、立派な衣装を着た女性が描かれています。人物の手には鳥がおり、どうやらペットとして可愛がられている様子です。空は黄色く塗られ、全体的に豪勢な雰囲気が漂っています。

タロット 小アルカナ ペンタクル 9

私は『ペンタクル 9』が好きです。自分で自分の仕事を決め、努力して、やりきって、手に入れた成果。めちゃくちゃカッコいいじゃないですか。何よりもペンタクルの領域なので、現実世界で目に見える形になっている。カッコいいしわかりやすい!事業を営んだり、作家として活動したり、それぞれがさまざまな姿で活躍する友人・知人を思い浮かべます。

そして、『ペンタクル 9』は私の憧れのカードでもあります。自分自身もフリーランスとして生活して早や何年目ですが、まだまだこの状態には到達していません。未だに「これから何をしよう、何を作ろう、何を創っていこう」と日々考え続けていますし、「私の生きる道はこれだ!」と言いきることもできません。道を究めることは一生できなくても、究めようと目指す道がどこなのか、どちらの方向へ進みたいのかはさすがにそろそろ決まってほしいと思います。

このカードに描かれている人物は、自身の芸で大成した人物だという説があります。着ているドレスの柄が金星のマークにも見えますし、何だか素敵なお召しものですし、芸術の分野で成功したと言われると「なるほど、そうだろうな」と素直に思える絵です。確かに、芸術の世界で成功している人は「私はこの道で生きていく!」という強い意志の下、不断の努力を惜しまずその道を究め続けているイメージがあります。(ちなみに、画面左下のかたつむりの絵は「不断の努力」「地道な積み重ね」を表しているそうです)また、成功したからこそペットの鳥を養い可愛がる余裕があるのでしょう。ここで猫や犬ではなくオシャレな感じの鳥を選ぶところも素敵です。たぶんとてもきれいな声で鳴く鳥なんじゃないかと思います。

こんな風にたわわに実るぶどう(成果・富かさ)に囲まれ、自分のスタイルですっくと立ち、優雅な佇まいを見せるには、あとどれくらいの年月が要るのでしょうか。今のまま「これから何をしよう、何を作ろう、創っていこう」と考え続けるかぎりはこの境地には達せないような気もします。が、そういう考えが落ち着くような兆しもまったく見えません。私の場合、永遠に『ワンド 2』(これからどこへ行こう?と漠然とワクワクしている人)をやめられないような気もします。だからこそ、『ペンタクル 9』は私にとって憧れのカードなのかもしれません。

記事を書いた人

小濱香織(ももねこ)OBAMA KAORI

文章を書いたりコードを書いたり喋ったりする人。 このコラムでは主に占い(タロット・西洋占星術)の記事を書いています。 園芸とアクアリウムと自転車とバスケ観戦が好き。 とにかく楽しく生きています。

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