目次
小アルカナ カップ 8 です。
積まれたカップを背に、歩き去る男性の姿が描かれています。
小アルカナ『カップ 8』の基本的な意味
- スートのキーワード:感性・感情・情緒
- 数字のキーワード:盛り上がった勢い・栄光
- 積み上げたものを捨てる、終わりを迎えて去る
湿った土地にカップが8つ積み上げられています。その向こう岸には背を向ける男性が描かれており、まるでカップを捨てて去る場面のようです。空には月が浮かび、男を見下ろしているように見えます。男の視線は足下の方にあり、寂しい雰囲気があります。
色の要素
- 赤:情熱、行動力、生命力
- 背景の青(灰):ニュートラル
逆位置のキーワード
逆位置はカードの基本的な意味に対して、否定・過剰・不足・未達のエッセンスを示します。
- 飽和した感情を置いて歩きだす
- これまで育ててきた感性から離れ、俯瞰的に見る
イメージ
何とも寂しい絵ですね!カップ 8 が出ると、いつも「あぁ……もうええんやな」と思います。そう、このカードは「もういいかな」と諦めて去る、そこから気持ちの整理をする、といった意味を示すカードです。正位置だと諦めて去るまでを、逆位置だとその先の気持ちの整理と新たな視点の獲得を表します。
誰でもそうですが、人って積み重ねれば積み重ねるほどもったいない気持ちが働きやすくなることってありますよね。もう発展性がないのがわかっているのに「せっかくここまでやってきたから……」という気持ち、いわば情で継続を選んでしまうこと。この人と一緒にいてもこれ以上の関係にはならないのはわかっている、でもここまで一緒にいたのだから……みたいな感じ……う、切ない。
数字の 8 のキーワードとして「盛り上がった勢い・栄光」と書きました。8 という数字は 1~9 の中でもっとも盛り上がっている=これ以上は盛り上がらない段階だと考えると、ここから発展させるには逆の「削る」というアプローチが必要です。例えば仕事の場面でもあるでしょう、「とりあえず全部の資料を集めておいて。その中から必要なものをピックアップするから」というやつ。パンパンに膨れきったものから不要なものを削いで、洗練させる。そうやって完成するのが 8 の次の 9 という数字、というのが私の解釈です。
これをカップのスートと絡めれば、8 はパンパンに膨れ上がった気持ち・情を表すと読めます。それを 9 に向けて削るために、この男性は並べたカップに背を向けて去ろうとしているのですね。おそらく、今までに集めたカップをただ捨てるだけでなく、しっかり把握した上で整理しようとして、きれいに並べたのではないでしょうか。ただ捨てるだけ・失うだけなら、カップ 5 みたいに倒したまま捨て去ってもいいはずだもの。
というわけで、このカードが出た場合は占いのテーマが何であれ「情だけで続けているんじゃない?」という問いかけが表れたと読めます。さらに、描かれた男性がすでに背を向けて去ろうとしているので、そこに留まる時期ではきっともうないよねーという話になりやすい。後ろ髪を引かれるような思いがあっても、踏んぎりをつけなくてはならないときがあるのだ。
逆位置でカップ 9 が出ると、すでに去る決心や踏んぎりがついていることが多いです。去る前はグズグズしていたけれど、いざ去ってみるとスッキリした!みたいな、そこまで固執することでもなかったと気づきましたアハハ、みたいな。カップのスートは水のエレメントなので融合する性質を持っていて、離れるのは苦手というかちょっと力が要ると思うのですが、えいや!と離れてみればこそ「要らないものを抱えていたなぁ」という発見に至ったりするのですね。ちょっと寂しい気もするけれど、そこはえいや!推奨です。
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