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言葉の圧を上手く使う – 小アルカナ ソード クイーン

『ソード クイーン』は、石の玉座に腰掛ける女性が主役のカードです。一方の手には剣を掲げ、もう一方の手を前方に差し出しています。視線の先には誰か相手がいるようにも見えます。背景には、上空は晴れているものの下方に雲のかたまりが描かれており、どうやら強風も吹いていそうです。

タロット 小アルカナ ソード クイーン

「理屈をこねる」というと、何だか鬱陶しいようなイメージがわくかもしれません。ああだこうだと整った言葉を連ねられると、「正論とはいえ勘弁してよ!」と言いたくなることもありそうです。理屈の通らない言葉たちならいざ知らず、理屈が通る言葉たちは多大な圧を生みます。

『ソード クイーン』は、そんな圧をうまく使うイメージです。まずは言葉を集め、情報を集め、状況をしっかりと観察した上で、自身の意見をまとめます。固く結ばれたように見える口が開くときは、おそらくその手に掲げる刃のように、まっすぐの言葉がこちらに向けられるでしょう。

言葉は、数を重ねれば重ねるほどにまた違う圧を生みます。長すぎる文章はそれだけで読者に圧をかけ、見せ方を誤ると読む前に去られてしまうこともあります。実際の会話、特に何かトラブルが起きた際、相手を攻撃しようとヒステリックに言葉を浴びせる圧もありますが、『ソード クイーン』はそういうタイプの圧を使うわけではなさそうです。(逆位置になると、強烈な圧を振りかざしてしまうこともありそうですが)

ソードのスートは、全体的に静かな絵柄が並びます。時折、積極的な動きを想像させる絵柄もありますが、基本的には静かです。ヒステリックな言葉の羅列は、ソードのエネルギーをうまく使えないが故の暴走、と捉えることもできます。一方的な理屈を押しとおそうとする強引さには、ほんとうの意味で作用する理屈がはたらかないようにも感じられます。

言葉が多いこと・言葉が強いことは、必ずしもソードのエネルギーが成熟している・正しくはたらいている、とは言えないでしょう。たとえどんなに言葉が多く強い人と対峙したとしても、情報を拒んだり観察を怠ったりという姿勢が見えるなら、その人の言葉には効力が宿らないとも言えそうです。

きちんと「ソード」のエネルギーを扱えるようになるには、『ソード ペイジ』のように広くフラットに観察する目を持つことが必要です。『ナイト』がとんでもないスピードで疾走できるのは、これまでの修行で状況を把握する能力を持っているからです。『クイーン』ともなると、堂々と相手と対峙しながら情報を集めることができます。何なら手を差し出して「まずはあなたのご意見をどうぞ」と促す余裕すらあります。

もしも、言葉の圧に晒されるような場面に遭遇したら、心に静かな『ソード クイーン』を呼び出すのがおすすめです。相手の言葉をよくよく観察して、それらの効力のほどを確かめてみると、圧に負けずに冷静な対処ができるかもしれませんね。

記事を書いた人

DUCK WORKSDUCK WORKS

京都三条で活動するフリーランスのユニットです。デザイナーの髙野 るみ子、ライター・フロントエンドエンジニア・占い師の小濱 香織の2人で構成されています。

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