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日常にあるデザイン的な考え方について


私センスないんで…
絵が描けないんで…
配色がわからなくて…
PCとかソフトが上手に使えないんで…
そんな様々な理由で、私にはデザインなんて到底無理です!
なーんて言葉を聞く事が多々あります。
そんな声を聞くと、デザインするという事は綺麗なビジュアルを描く、絵描きみたいなイメージが強くあったりするのかな?と思ったりしています。勿論、ビジュアル化する作業はデザイナーとして腕の見せどころではあります。
でも、ビジュアルを作っている時は、私の場合決めた事をただ作業しているだけです。
その前のアイデアの部分「どうみせるか」がデザインするって事であり、そこさえ決まれば出来たも同然なんです。
そして、その考え方は実はデザイナーではなくても皆が日々日々している事でもあると思うのです。今回はデザインを作る時の考え方って日常でのこんな考え方と一緒だよ!デザインってこんな事が大事よ!というお話をさせてもらいます!!

マウスやペンを持ってからがデザインじゃない


例えば、家で入れ違いになる人に冷蔵庫の中にパスタがある事を伝えたい時どうしますか??
メールをする人もいるでしょうし、冷蔵庫にメッセージを貼る人もいるでしょう。もしかしたら冷蔵庫に貼ったら見逃すかもと、一番目につくとこは何処なのかそんな風に考えたりしませんか??そういう事がデザインするという事だと思います。
その人に1番わかりやすい方法で行動を促す。その方法を考える事です。
例えばデザインを頼まれる時。デザイナーの方じゃなくても「この募集のチラシ作っておいて」とか「町内会のお祭りの案内作って」とかあるかもしれませんが、デザインの工程としては、チラシを作ってと言われたからといってチラシを作る事からがデザインのスタートではないのです。
何かを募集するものであったら、それは「どんな人を」「どれだけ」「何のために」募集したいのか。それによってチラシじゃなくても良い場合があります。ポスターやカードの方が良いかもしれないし、テレビやラジオの力を使ったほうが良いかもしれません。もしくはサイトを作ったりSNSでアナウンスしたほうが良い場合もあります。わざわざ作らなくても口コミで良いんじゃない?そんな時もあります。
どれだけのお金と労働力を使えてどれくらい効果が欲しいのか。そこから出来ることを絞って発信する媒体を考えるのもデザインの工程のひとつです。
だから、ビジュアルを作る技やソフトの使い方を覚える事も必要ですが、それよりもデザインとして出来る事をたくさん知り、「考え方を身に着ける」これが一番デザインするにあたって重要な事だといえます。

ビジュアルをデザインするってどういう事


では、どんな媒体で発信するか決まったとして、実際ポスターなりチラシなりサイトなり、ビジュアルを作る段階に入った時の私が思うデザインってどういう事か。
この段階の簡単な例えとしては、教科書にマーカーで線をひくような事だと思っています。
大事な文章に線を引いて目立つようにする。その時にどんな風に線を引くのか。
覚えなくてはいけない単語にピンクで線を引き、大事な文章には黄色で線を引く。
そんな人もいれば、一番大事な単語にはピンクで線を引き、2番目に大事な単語には黄色で線をひく。そんな人もいるでしょう。
もしかしたら、教科書自体が奇麗にデザインされているのだからそのままで十分!という人もいるでしょう。
そんな風に覚えやすいようにルールに基づいてアレンジをしたりジャッジをしたりするする。
そういう事がデザインの基本的な考え方だと思っています。可愛いから飾るのではなく、意味付けをしていくその手法として目立たせるために飾る事という考え方です。
何をしたら、大事な文章が目に飛び込んできてわかりやすいのか。そういう事を考える事が大事になってきます。
それと同じ考え方で、どういう柄があったらピンときやすい。どういうイラストがあったら伝わりやすい。そういう感じでデザインが出来上がっていくわけです。なので意味を理解するのに邪魔となる柄や絵は無いほうが良いともいえます。
その取捨が難しいところではあるので、デザインするには常に客観的な目線であれるようにする事が大事になってきます。デザイナーこそ何よりも一般的な目線が必要なのではないかとも思っています。独創的であろうとハイセンスであろうと、デザイナーだから見る目が違うとかではなく、目線だけは「一般的にはどうなのか」「これを見る人はどう思うのか」そういう事を念頭に置いておく事が重要になってきます。
なので、デザイナーから見たらどう??っていうのは、より一般的な目線でいうと、こういう人が多いんじゃない?っていう事になります。そして、デザイナーとしてその為にこうするのはどう?っていう施策の引き出しをどれだけ持っているかどうかっていう話になります。

雰囲気づくりについて

見てもらう人(ターゲット)に1番わかりやすい方法で行動を促す。それにはやはり文字の強弱や目立たせ方と共に色使いや雰囲気づくりも大切になってきます。デザインというと可愛らしさや格好良さ、綺麗さ、そういう印象になるものを作らないといけないような気がしてしまいますが、分かりやすいかどうかでいくと必ずしも綺麗じゃなくても良い事になります。
例えば洋服を選ぶ時。会社へ行くからスーツを着たり、パーティへ行くからドレスを着たり、ウォーキングするからトレーニングウエアを着たりする訳です。
その姿になるからこそ、機能的にマッチするし、その場に溶け込めるし、他の人から見た時もこの人は〇〇〇の人なのだろうなとカテゴリ分けされて認識される訳です。ペンキを塗る時に綺麗なドレスを着る必要はありませんし、不可解に思われてしまう事もあるでしょう。
そんな風にデザインも状況によって合わせていく事が大切になります。
しかし合わせるだけでなく、例えばスーツの人が多い場所にタンクトップで行ったら目立ちますので目立たせるためにあえてそれをチョイスする事もあります。しかし、それはスーツの人たちと同じグループだとは思われにくくなりますので、そのバランスが大切となります。
デザインをひと目見た時に自分が興味のある内容かどうか判断できるようにしておく事が大切なので、TPOに合わせて服を選ぶように、デザインも訴求によってきちんと合わせたものを作る必要があります。
これは「高級なもの」であるとか「SALE中」なんだなとか「電化製品」なのか「コスメ」なのか、商品が置いてなくてもわかるデザインになっていれば、文字を読まなくてもある程度何の訴求かわかってきます。
例えば下の画像ですが、

この2枚の画像のどちらが安く期間限定っぽい感じがするでしょうか?半額という事は結構な安さな訳ですよね。赤いほうは見た感じで安い感じがありますが、青いほうはきちんと文字を読まないと安い事がわからなくありませんか??文字を読んで、ようやくわかるというのは見る人が把握に時間がかかってしまっているのです。
デザイナーとしてはどれだけスピーディーに理解してもらえるかが大事なので、ただの飾りではなく、理解へつなげる意味で世界観を作る事がとっても大切になるのです。
という事で、服を選ぶように、デザインでも訴求に合わせて着替えさせてあげる事が大切なのです。服によってはある程度商品自体も高くも安くもみせる事が可能です。

まとめ

という事で、普段皆さんが人の為であれ自分の為であれ、「わかりやすくしてあげる事」その為の行為がデザインの種となっているのです。
どうすれば、「相手にストレスなく簡単にわかってもらえるのか」「心地よい感情を持ってもらえるのか」そういう考えが基となっています。
その為には何色にしたら良いのだろう?何の写真を置いたら良いんだろう?どう見えるのだろう?人の目と感情を気にしまっくて考えています。
なので、自分の絵心とかアートな表現をだせば良いとは限りません。
特別な事ではなく、皆日々やっている「自分を含めた、誰かを想う事。」それがデザインなんでしょうね。

記事を書いた人

髙野 るみ子TAKANO RUMIKO

デザインする人。 世の中にいろんなものを生み出したい。あわよくば世の中を整えたい。 手先が器用です。

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