ワタクシももねこ、タロットカードもオラクルカードも解説書をがっつり読む派です。
何故ならそこにはデッキの作者が仕掛けたモノが山ほど詰まっているから!もちろん、解説書の内容に囚われすぎる必要はないけれど、とにもかくにもまずは読んでみなよ。というのがももねこの正直な意見。採用するかしないかは、読んでみてから自分のスタイルに合わせて決めればいいよね。
「対面リーディングで解説書を開くのはプロっぽくない、お客さまに失礼だ」といったご意見も時折耳にしますが、その場合の解説書との向き合い方は“プロっぽさを出すためのパフォーマンス”という色が強いので、実際に対面でリーディングをやるときにでもしっかり考えたらいいと思います。工夫次第でカッコ悪くもカッコ良くもなりまっせ。
要は、解説書の内容を採用する/しないに関わらず、きちんと自分自身のスタイルが確立されていればOK!ということ。そこに想いがあればよし!
という訳で今回は、タロットカード・オラクルカードの解説書とうまく付き合えばこんなにいいことがあるよ!という話をしましょう。
そもそも、タロットカードやオラクルカードの解説書って何?
タロットカードやオラクルカード(特にタロットカード)には、作者の手によって複雑な魔術が仕込まれています。魔術って言うとおどろおどろしいけれど、平たく言いますとカード一枚一枚・デッキ全体に張り巡らされ敷き詰められた物語があるのです。
その魔術・物語について、作者自らが“使用者へのヒント”として用意しているのが解説書ですね。そりゃあ役に立つよね。デッキに魔術と物語をこめた人が書いたものなんだから。読もう。読んで、理解は及ばずとも知って、そのデッキが用意してくれている可能性を最大限に感じてから自分なりの解釈やフランクな接し方をすれば、そのデッキはめちゃくちゃ使いやすくなるはずだよ。
タロットカードの解説書
タロットカードは、我々がまだ生を受けていない時代に、それも錬金術師という我々とは縁遠い職業の人が修行の一環でああだこうだ理論と理屈と思想と伝承とその他もろもろをこれでもか!というくらい捏ねくりまわして作ったもので、正直ムズカシイです。
しかし!世の中にはそのムズカシイ本をめちゃくちゃ研究して、我々庶民にもわかるようにしてくれている研究者の方々がたくさんいらっしゃるのですよ。ありがてぇ~~~~~!助かる~~~~~~!それも、読みやすいやつからがっつり読み応えのあるやつまでめちゃくちゃ揃ってる~~~~~!最高~~~~~!
本屋さんには、そういった研究的な内容が詰まった本もあれば占いの方法に特化したカジュアルな本もあるので、お好みと用途に合わせてお好きなものが選べます。で、「タロットの勉強でつまずいた!」という人は、いっぺん手元にある解説書を並べてみて、今までどんな本を読んできたか見直してみるといいですよ。
個人的な見解ですが、読んだ本が「占い用の本」(恋愛の場合は「〇〇」という意味で~みたいな、主にキーワードが書いてあるやつ)に偏っていると案外つまずきやすいように思います。というのもね、ああいう「占い用のキーワード」って、大体においてその本の著者が捻りだしたエッセンスなんだよね。ぶっちゃけタロットカードに設定された意味そのものではなかったりするんだよね。ってことは、タロットカードとの相性が悪いんじゃなくてその本の著者と相性が悪くて理解できない・覚えられない、みたいなことが往々にしてあるんだよ。
なので、占い用の本ばかりを読んでつまずいている人は、一度研究目線の本も読んでみることをおすすめいたします。レイチェル・ポラックさんの本とかいいぞ。鏡リュウジ先生や伊泉龍一先生が我々が読みやすいようにしてくださっているぞ。いいぞ。
こっちがやさしい方。
こっちはゴツい方。
オラクルカードの解説書
オラクルカードはタロットカードと違って解説書が平易ですね。やはりデッキの作者が私たちと同じ時代を生きている人ばかりだからでしょうか。感覚に乖離が少ない。もちろん、宗教色が強いデッキなんかだと同じ宗教に属していない人は乖離を感じるというか、真新しい感覚が故につまずくこともありますけれど、それでもタロットカードよりはとっつきやすいと思います。(海外のカードだと時々日本語訳がマズくてアレなこともあるけどね)
で、オラクルカードの解説書はタロットカードのそれと違って「〇〇なときは△△なものです。□□しましょう。」みたいな、概念とアドバイスが詰まっていることが多いです。
要は、オラクルカードの解説書は最初からアドバイス調なのです。もっと言うと、占い用の解説書みたいなテイストなんだよね。それがデフォルトだから、アドバイスとしてストレートに受け取りやすい。それが故に、アドバイスが凝り固まるというか、解説書に影響されすぎるという懸念も生まれます。
解説書が役に立つとき・邪魔になるとき
解説書に影響されすぎるというのは特にオラクルカードでよく聞く声ですが、冒頭にも書いたとおり、ももねこ的には「解説書?まぁ固執したり邪魔になるくらいなら読まなくてもいいけれど、そうでないなら読んだ方がいいと思うな」っていう感じです。
解説書にはデッキの作者自らが用意した“使用者へのヒント”が山ほど詰まっています。だから、基本的には読んだ方がリーディングの可能性が拡がると思っているし、リーディングの役に立つと感じています。私も未だに解説書を読むけれど、「あーその視点なかったわ」みたいな発見も結構ありますからねえ。
オラクルカードの場合は、前項で書いたように解説が“概念+アドバイスのカタマリ”なので、慣れないうちはそっちに引っ張られすぎちゃう人もいるかもしれない。タロットカードの場合は、占い用の本に書いてある解釈に頼りすぎると影響を大きく受けてしまうことがあるかもしれない。いずれの場合も、解説書に書いてある文言を飲み込んで消化して再構築して吐き出す作業に支障が出ることがあるのです。こういうときに、解説書は却って邪魔になる。
特にこれは複数枚でリーディングをするときに障害として立ちはだかりやすいです。それぞれのカードの意味を複合的に読もうとした瞬間、「飲み込んで消化して再構築して吐き出す」という一連の流れが目の前にばーーーん!と現れるの。そこで「AというカードとBというカードの意味が繋がらない」から「読めない」となるわけです。
解説書が邪魔になったら、ワンオラクルを繰り返すべし
タロットカードもオラクルカードも慣れだ!とにかく慣れろ!マジで!
というわけで、ワンオラクルをしつこく繰り返すことをおすすめしています。まずは一枚としっかりがっつり向き合って、要素を拾いまくる練習だ!大丈夫、ヒントはそこかしこに山ほどあるから。シンプルに、カードを一枚引いて解説書に書いてある言葉をそのまま読む/カードに描かれているものをそのまま拾い上げていく、でOKなんですよ。
私も、カード初心者さんが解説書でよほど戸惑う様子が見られた場合は「解説書は読まなくてもいい」という言葉を発しますけれど、私が言うそれは「解説書にもヒントが山ほどあるけれど、そこに苦手意識が生まれたせいでカードリーディングを辞めちゃったら元も子もないから、とりあえずカードの絵柄だけじっくり拾い上げてみようか」くらいの意味です。
で、カードを複数枚引くと要素がめちゃくちゃに多くなって余計に混乱するから、まずはワンオラクルをひたすらやろうね、解説書の言葉を要素として拾えるようになるまで複数枚はやめとこうね、というスタンス。
そう。解説書の言葉は、カードの絵と同じで「要素として拾えばいい」のです。
カードリーディングを深めるために、文章力を鍛えよう
身も蓋もないことを言いますが、リーディングってやつは口頭にしろ文面にしろ最終的に文章でアウトプットすることが大半でありまして、文章力は必須です。タロットカード・オラクルカードを習得するには、それらの学習を進めるのと同じくらい文章力の鍛錬を積むのも必要ではなかろうか。
先ほど書いた“解説書の言葉を要素として拾う”という一文には、解説書に書かれたカードの意味を「飲み込んで消化して再構築して吐き出す」という一連の流れが潜んでいます。簡単に「気になったところをピックアップすればいい」と言うてもですね(これもよく聞くよね)、この流れに慣れていない場合はそれがなかなか難しいのですよ。そりゃそうだよ。もうそれは文章力の範疇だよ!
わたくし、よく「カードを並べるところまでは神の領域、読み解くところからは人間の領域」と表現するのですが、まさにこれね。読み解くところ“から”は人間のお仕事なので、「読み解く」そして「再解釈してアウトプットする」というスキルは、占いとは別に磨くことがとってもとっても大切なのです。
もう少し細かく言うと、カードの絵でも解説書の文章でもその他の要素でも何でも、「気になる」ものは“神の領域からのサイン”であります。それらを「ピックアップする=アウトプットする」ためのスキルとして文章力を備えておくといいよ、ということです。
文章力の鍛え方はさすがにここで書くとどえらい長さになるので場を改めますが、ひとつだけ、私が好きな言葉遊びを紹介します。言葉遊びは文章力を鍛えてくれる素敵なお友だちやで!
ももねこが好きな言葉遊びはこれだ!
街中に溢れている広告にあるキャッチコピーを単語レベルに分解して、そこから連想される単語をたくさん引き出し、さらにそれらを使って別のキャッチコピーを作る遊びです。
これやってみ、面白いから。人を待っている間でも電車内でもいつでもどこでもできるから。でもって自分で作ったキャッチコピーと元のキャッチコピーを比べて、何が変化したか?印象は?惹かれそうな性別は、年齢層は?どんな人の生活にマッチしそう?……みたいなところまで掘り下げていくの。時々、自分でもハッとするような言葉が出てきたりするよ。
それと、「文章はまとまるんだけれど何だかキツくなっちゃう」「いい印象の言葉になっていないみたい……」という角度でお悩みの方向けに、別軸で私が書いたこの記事を紹介しておくね。きっと役に立つと思う。
慣れれば慣れるほど、直感がそのまま言葉になる
「カードを並べるところまでは神の領域、読み解くところからは人間の領域」でいくと、直感部分=神の領域には個人差はないはずなのね。さらに、直感のアンテナの精度は磨けば磨くほどよくなります。何というか、思考や理性が邪魔をしなくなります。それと同じで、スキル部分=人間の領域も磨けば磨くほどよくなるはずなのだ。こっちは、思考や理性がここぞとばかりに助けてくれるようになる。
両方が磨かれると、神の領域と人間の領域間の移動がめちゃくちゃスムーズになるのよ。メッセージ、顔パス。神の領域から人間の領域へ、顔パスでやってくる。言語もめっちゃスムーズに人間の言葉に変化する。ホンヤクコンニャク!
こうなったら、解説書という名のヒントのカタマリはもう手放してもいいかもしれないね。逆に、ヒントとして時折ひらめきをくれるものでもあるから、いつまでも読んでたって構わないよね。
だから、セッション時に解説書を携えている人に対しても、それだけでプロっぽくない!この人信用できない!なんて思わなくていいんじゃないかな。冒頭にも書いたように、解説書を持たずに格好よくカードを扱うとか、そういうのは“プロっぽさを出すためのパフォーマンス”の場合もあるのだから。大切なのは、カードリーダーや占い師の手元に解説書があるかないかじゃなくて、その人がどのようにカードや解説書と向き合うスタンスなのか、です。そこをしっかり伝えてくれる/伝わってくる人は、どんなスタイルでやっていてもそれが個性や魅力となっているのではないでしょうか。
ちなみに、ももねこはお客さまの前では解説書は読みません。カッコイイカッコワルイじゃなくて、解説書を読む間もお客さまがお金を出して買ってくださった時間の一部だと考えたら、そいつぁちょっとコスパが悪い。インプットは別の時間でやります。メール占いは時間換算でなく文字数換算でお代をいただいているので、解説書を読みながらやることもあります。なので対面占いであっても、解説書を読む時間分お安く設定するとか、何かそういう工夫をすればいいんでないかい。
そんなこんなでめちゃくちゃ話が長くなりましたけれども、解説書と上手に付き合えばとっても素敵なヒントをたくさんくれるよ!というお話でした。あとは慣れだ!頑張れ!とにかく慣れよう、慣れてきたらめっちゃ面白くなるからね。
……と、手前味噌で恐縮ですが。
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