1. サイトトップ
  2. コラム
  3. さぁ、どこへ行こう – 小アルカナ ワンド 2

さぁ、どこへ行こう – 小アルカナ ワンド 2

『ワンド 2』は、立派な服を着た男性が地球儀を片手に遠くを見つめている様子が描かれています。立派な石造りの建物の上に立ち、まるで「さぁ、これからどこへ行こうか」と好奇心を膨らませているようです。

タロット 小アルカナ ワンド 2

先日、久々に(本当に久々に)旅行の予定を立てました。出張などの明確な目的がある旅とは違い、何もない状態から細かいことまでを決めていく作業は、なかなかに大変なものでした。

……実は、大変すぎて気の利いた案のひとつも出せず、同行者にすべてを決めてもらうという情けない状態でした。目的がない旅がこんなにも難しいとは!

同行者いわく、「どこに何を見に行くか、食べに行くか、体験しに行くか、そういうことを地図を眺めながら考えるのがとにかく楽しい」のだそうです。まったく知らない土地でも、地図を眺めていると地形や道が想像でき、気にかかるポイントがあればそこを調べて「行きたいところ」をピックアップできる。ぼんやりと全体像が浮かんできたら、あとは実際の旅程に落とし込む。あとは宿や交通手段を物理的に選んでいく。

それはまさに『ワンド 2』から『ワンド 3』への変遷を思い起こさせます。「これからどこかへ向かう」という漠然とした決定事項の下、情熱と好奇心をもって広い範囲の地図を眺める段階が『ワンド 2』です。この段階ではまだまだ現実とすり合わせていないため制約もゆるく、無謀なことも候補に入ってきます。

この「無謀なこと」は決して無駄なことではなく、『ワンド 2』が生み出す財産だと思います。情熱と好奇心が主役のタイミングで生まれてくる「無謀なこと」は、そのまま未来の目標や夢になったり、自分の限界を広げてくれるきっかけになったりします。制約や制限を課す前だからこその思いつきや飛びつきが、今後の幅を大きく広げてくれるのです。

想像できる範囲・知っている範囲で計画を立てるのは安心です。知らない範囲であったとしても、目的の力を借りればある程度は安心して計画を立てられます。何もないところで、自分の内側から湧いてくる情熱と好奇心だけを頼りに進めていくのは勇気が要ります。この勇気は、はじめは使いにくいかもしれませんが、経験を重ねるごとに勇敢に使えるようになります。はじめは根拠のないワクワクとドキドキだったものが、参照する過去が少しずつ増えることで「きっとうまくやれるだろう」という自信を伴ってきます。

何にせよ、まずは『ワンド 2』のように、大きな大きな範囲で情熱と好奇心を働かせること、遊ばせることが、自身の枠組みや限界、もしくはそういった思い込みを打破することにつながるのかもしれません。

記事を書いた人

小濱香織(ももねこ)OBAMA KAORI

文章を書いたりコードを書いたり喋ったりする人。 このコラムでは主に占い(タロット・西洋占星術)の記事を書いています。 園芸とアクアリウムと自転車とバスケ観戦が好き。 とにかく楽しく生きています。

関連記事

人気記事