「ちょっとええ感じの文章」に仕上げるコツ

「ちょっとええ感じの文章」に仕上げるコツ

文章を書くのが苦手!学生時代、作文はとても嫌いな宿題だった!という方はたくさんいらっしゃると思いますが、まったく文章を書いたことがないという方は滅多にいらっしゃらないかと思います。
経験のない人が「デザインをやって」と言われると「えっ!そんなのできないよ!道具やソフトもないし……」となるでしょうが、「文章を書いて」と言われると「えっ!苦手(下手)だよ!」となるのじゃないかしら。

何せ、紙とペンさえあれば、PCやスマホ一台さえあれば文章を書き記すことができるので、そのハードルは非常に低いですね。

今回の記事では、誰もができる“書く”という動作にエッセンスを追加して、「ちょっとええ感じの文章」に仕上げるコツを書いていきます。

ポジティブ訴求・ネガティブ訴求を意識する

「ちょっとええ感じの文章」に仕上げるコツ

これは主に広告的なライティングで使われる考え方です。
ひとつの要素に対し、ポジティブなアプローチをするか・ネガティブなアプローチをするかで文章全体の印象が変わります。
ポジティブ訴求は安心や安定、リラックス感などを与え、ネガティブ訴求は危機感や恐怖感、焦燥感等を与えることが多いです。

例えば、中高年向けの滋養強壮系サプリメントについてアプローチの一文を書くとしましょう。

ポジティブ訴求

  • 週末の行楽が楽しみになりました。
  • 妻の笑顔がイキイキして見えます。
  • 朝がこんなにキモチイイなんて、久々です。

ネガティブ訴求

  • せっかくの週末なのに、ダルイ……
  • 妻の退屈そうな顔が、辛い。
  • もう朝が来たのか……と思う毎日です。

いずれの訴求も一般顧客からの共感を狙ったものですが、同じ要素を挙げてもこれだけ印象に差がつきますね。
一般的に、ポジティブ訴求はインパクトは弱いものの好感度が高く、ネガティブ訴求は一瞬ドキッとするもののインパクトが強いです。
どちらが良いということはなく、その文章の役割や狙う効果によってうまく使い分けることが重要です。

とはいえ、明確な狙いがないかぎりネガティブなアプローチを採択するのはリスクが高い

「ちょっとええ感じの文章」に仕上げるコツ

ネガティブなアプローチは、インパクトはあるものの多用すると白々しく感じたり誇大表現になったりと、なかなか扱いが難しいものです。
また、狙いの定まらない“何となく”で生まれたネガティブなアプローチは、読む人の気持ちをじわじわと暗くさせます。
ですので、ネガティブなアプローチの採択は、確かなマーケティングに基づいたプランニングあってこそだと思います。

とはいえ、無意識にネガティブなアプローチを文章に散りばめてしまうこと、結構あるんですよ。
とても簡単に言いますと、否定や打消し、逆説の表現を多用するとこうなりがちです。

例えば、「二時間ほど並んだのに(逆説)、買えなかった」と「二時間程並んだ。買えなかった。」だと、何となく印象が違いませんか?
前者は二時間粘った労力を惜しむ気持ち、それだけ労力を費やしたのだから買えても良かったのに、という悔しさが見え隠れし、後者は事実を平坦に述べているように感じるのではないでしょうか。

エッセーなどのように、筆者の心情や情感を含めて楽しむ文章であれば前者のような表現が活きることも多々あります。
そうではなく、説明文のように冷静さが求められる文章であれば、後者のようにできるだけ事実を平坦に述べるような言葉選びをしたいところです。

  • 「雨天の場合、徒歩では行けません(否定)」
    「晴天の場合、徒歩で行けます」
  • 「AとBがセットで半額になるプランがあります。※ただし、別途Cの購入が必須です(打消し)」
    「Cを購入された方を対象に、AとBがセットで半額になるプランがあります。」

上記のような例も、できるかぎり否定や打消しの表現を言い換えることで、前向きでクリアな印象に近づきます。

強制的な言葉遣いよりも柔和な言葉遣いを心掛ける

「ちょっとええ感じの文章」に仕上げるコツ

「必ず一週間以内に連絡してください。」のように、“必ず”“ください”等の強制的な言葉遣いは相手に威圧感を与えます。

実は、“ください”は丁寧ながらも命令形の言葉なのですね。
語尾に尊重の意を強める“ませ”をつけて、「~くださいませ」とすれば、幾分丁寧な印象になります。

これ、ビジネスメールでも気を遣うところなのですが、私の場合は相手に固くお願いをしなくてはならない場面でのみ「くださいませ」と書くようにしています。
基本的には「お願いいたします」と書いて、これは強めに言いたい!と言う場面で「くださいませ」と書くのです。

文章に威圧感が多く付与されると、読む側はじわじわと窮屈さを感じます。
「この人、何だかちょっと嫌だな」「やりづらいな」と相手に感じさせたくない場合は、できるだけ強制的な表現は避け、柔らかい表現に言い換えるのがおすすめです。

実際に、私がとある飲食店のトイレで見かけた文章が、まさに強制的な表現でした。

「鍵を壊す方が多いです。力を入れないでください。」

私はこのように書かれた張り紙を見て、びっくりしました。
ちょっと待った。強い力をかけたくなるような、開閉しにくい鍵をそのままにしているのは、店側の怠慢じゃないのかい。そんな風に思いました。
その鍵は小さなかんぬき型で、トイレの広さと扉の角度的に体格のいい男性であれば開閉がしにくいであろうことが容易に想像できたのですね。

何だかモヤモヤしたまま席に戻り、そしてお会計……

店主「お会計は別でしょうか?」
ももねこ「別でお願いします。」
店主「あー……うちは一括でやってるんですよ(嫌そう)」
ももねこ「じゃあ最初から訊かないでください(さすがに言い返した)」

この一連の流れから察するに、このお店の方々は「牽制しておけば自分が面倒を被ることも、責められることもない」という考えが強いのではないかと思います。
そう、人は「面倒を避けたい・責められたくない」という自己防衛の気持ちが強くなると、強制的な態度に出てしまいがちなのですね。
ただこれが行きすぎると、相手がまだ何もしていないのに攻撃をするような形にもなりかねません。

このお店の場合、トイレの扉の鍵については「鍵の開閉がしづらくなっております。恐れ入りますがやさしくお取り扱いくださいませ。」とでも書けば「ああそうですか」となりますし、会計については「恐れ入りますが団体様・グループ様ごとでまとめてのお支払いをお願いいたします」とでも書いておけば「わかりました」となりますので、ヘンなところでお店の印象を悪くすることもないのになぁ、と思います。

そう。「恐れ入りますが」「恐縮ですが」も強制的な内容を和らげるのによく使う言葉ですね。
これもあまり使いすぎると白々しくなってしまいますが。

随時、例え話や自分の体験談を入れる

これは媒体にもよるのですが、このブログのようなコラム的なものであれば例え話や体験談を盛り込むと文章に緩むポイントができて読みやすくなります。

というのも、文章を読む側にとっては読んでいる間中、新しい知識を頭の中にインプットする時間が続くので、疲れを感じやすいのですね。
そこに時折、読む側のイメージを手伝う情報(例え話)や共感を促す情報(体験談)等の“緩むポイント”が入ると、インプットの手助けになったり息抜きになったりします。

情報の分類や段落ごとの文章量に気を配る

特にWEBの場合、できるだけ“気合を入れなくても読める形”に仕上げることをおすすめしています。
1万字を超える長文であったとしても、きちんと段落分けされており、なおかつ段落ごとの文章量がコンパクトにまとまっていればそこまで気合を入れなくても読めるはずです。

ですので、いきなり文章を書き始めるのではなく、全体の情報のグルーピングと段落の整理(骨子づくり)から始めることをおすすめします。
時系列でまとめたり、似た者同士でまとめたり、手順ごとにまとめたり……と素材によって適した形を見繕って整理する作業は、結構楽しいものですよ。

私は文章の骨子を作るのが好きで、長文であればあるほどそこに結構な時間をかけます。
骨子ができたら8割は原稿ができたものと言っても過言はありません。いや、言いすぎか。でも6割はできたと言えると思います。
これはいわゆる提案書・企画書の類でも同じです。
いきなり文章を書き始めるスタイルでつまずきを感じている方は、一度骨子を丁寧に作ってみるといいんじゃないでしょうか。

まとめ

「ちょっとええ感じの文章」に仕上げるコツ

  1. ベースはポジティブに、柔和に。
  2. ここぞ!というときにインパクトをプラス(適度な誇張・ネガティブアプローチ・強制的表現……等)。
  3. 例え話や体験談で文章に緩みを持たせる。
  4. 文章を書き始める前に、骨子を作る。

と、こんな感じでございましょうか。

もう一歩踏み込むならば、いろいろな文章に片っ端から興味を持つことも大切です。
さらりと読み流せば気づかない印象(何となく好きだな/嫌だな、の素)も、興味をもって観察することでキャッチできるようになります。
もちろん語彙や表現のバリエーションも増えます。
目の前にあるお菓子や飲料のパッケージ、広告、雑誌、何でもいいので文章を観察するといろいろな発見があって、面白いです。

今回ご紹介したことは、ちょっとした会話や伝言メモ等でも使えると思います。
少しでも文章への苦手意識が払拭できれば、クラウドソーシングでライターとしてお小遣い稼ぎもできるかもしれません。
夢を持って、レッツトライ!