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アイディアの種を蒔こう – 小アルカナ ソード A

『ソード A』は、空に浮かぶ雲の中から剣を握る手が出ている絵柄です。剣には王冠がかぶされており、そこから垂れる植物と光の粒が見られます。地面には険しい山が連なっているようで、人々の生活を思わせるような要素は見当たりません。

タロット 小アルカナ ソード A

計画を立てようとするとき、思いつきばかりが散らばってなかなか形にならないことがあります。小さなアイディアらしきものは出るものの、「いや、でも」「とはいえ、だって」と推論の域を出ないだけでなくすべてに対して否定的になってしまうことすらあります。まとまらない思いつきたちは空に消え、結局は何も始められなかった……という経験がある方もきっと多いでしょう。

何せ、「ソード」には「削ぎ落す」という性質があります。思いついたそばから、自身の持つこれまでに得た知見や情報を根拠に、その思いつき自体を削ぎ落してしまうことがよくあるのです。「ああでもない、こうでもない」と考えを巡らせてはすべてを却下するクセがついている人は、「ソード」のこの性質の中毒になっていると言ってもいいかもしれません。

タロット小アルカナの「A」はすべて、空に浮かぶ雲の中から出る手がそれぞれのスートの象徴を掲げている絵柄です。ぴかぴか光る手は人間のものではなく、おそらく神さま的な存在の手だと思われます。そのため、「A」の段階では各スートのエネルギーはまだ現世に下りてきておらず、私たち人間は感知できない、という解釈もできそうです。

しっかりとしたアイディアになる前の思いつきには、この『ソード A』がよく似合います。労力や時間のことを考えると、どうしても「育ちそうな種」ばかりを植えたくなりますが、どれが育ちそうな種なのか最初からわかることの方が少ないと思います。実際は、思いつきを頭の中から取り出して多少育てたところで、やっとアイディアとして採用できそうかどうかがわかる、というケースがほとんどではないでしょうか。

実際の植物の種を蒔くときも、種をしばらく水に浮かべて沈むかどうかで発芽の確率が高いものを調べることがあります。もしくは、発芽用の土を使って芽を出させ、強そうなものを苗として選定し育てることもあります。

それと同じように、アイディアになる前の思いつきを手当たり次第に試してみる、という手もなかなか有用だったりします。もちろんリソースや時間は限られているでしょうから、ある程度は選定してからになると思いますが、「とにかくやってみないとわからない」というマインドで行動に移してみるとそれぞれの「思いつき」の質の片鱗が見えてきます。その中からアイディアになりそうなものをピックアップしさらには計画の骨として用いると、スムーズにまとまるのです。

「ああでもない、こうでもない」の渦から出られない自分を見つけたら、試せそうなものから手当たり次第に試してみましょう。きっと、ただの思いつきから計画の骨になるアイディアが見つかりますよ。

記事を書いた人

小濱香織(ももねこ)OBAMA KAORI

文章を書いたりコードを書いたり喋ったりする人。 このコラムでは主に占い(タロット・西洋占星術)の記事を書いています。 カメラと園芸とアクアリウムと自転車とバスケ観戦が好き。 とにかく楽しく生きています。

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