大アルカナの13番『死』です。
老いも若きも男子も女子も、死は等しく訪れ避けられないものです。
大アルカナ『死』の基本的な意味
- 価値観の変化・変容、革新、刷新
- 既存の考えややり方への刺激、衝撃
- 魂のリフレッシュ
骸骨の騎手が薔薇十字の旗を掲げています。白い馬は片足を上げているものの、優美に佇んでいるように見えます。足元には立派な衣服を着けた人物が倒れ、また子どもたちが膝をついています。そのそばでは、宗教者に見える黄色い衣服を着けた人物が手を合わせ祈っているようです。死を運ぶ骸骨の騎手の前では、身分や年齢は関係なくみな平等に「死=変化・変容」を受け入れざるを得ないのです。
背景には、2つの塔とその間から昇る太陽が見えます。試練を超えたところに、新たな目覚めが訪れることを示唆しているのでしょうか。
色の要素
- 白:純粋さ
- 黒:絶望、終焉
- 黄:喜び、祝福
逆位置のキーワード
逆位置はカードの基本的な意味に対して、否定・過剰・不足・未達のエッセンスを示します。
- 価値観の変化・変容が成されない、もしくは拒否しようともがく
- 既存の考えややり方への刺激、衝撃を受け入れられない
- 上記に気づかず変化しそびれた状態
イメージ
絵柄が怖いですね!クライアントから「何か怖いカード出てますよ!?」って言われる確率がすごく高い。大丈夫大丈夫、全然怖くないですよ!
『死』 はすべてのものにとても平等に訪れるもの。死神が目の前に現れたなら、それが王であろうが教皇であろうが無垢な子どもであろうが平等に生命の灯火を消されてしまうの。
それは肉体の滅びで、その後に新しい生……転生、再生、生まれ変わりが控えていることを前提とした死の概念。 特にスピリチュアル系の界隈では、古く動かなくなったものを手放して新しい自分に生まれ変わる、っていうニュアンスで語られることが多いですね。
このカードもご多分に漏れずそういうニュアンスです。物理的なショックやできごとに限らず、ほんの些細な誰かの一言やドラマの台詞、曲の歌詞などから得たインスピレーションや刺激が、価値観を変えるきっかけになる……ということもあるじゃないですか。感銘を受けた!ってやつ。
なので、『死』が出たときは価値観や感覚が変わる時期だ、と思っていただけるといいと思います。交渉ごとを控えているときに相手を示す位置に出ると緊張しますね!「ちょっと待って、用意した資料が無駄になる!?」って心配になりますね。頼むから前提をひっくり返すのだけはやめてほしい。
また、『死』は正逆の取り方が人に依って違ってくる印象が強いです。私は正位置が死を迎える前、逆位置が死を迎えた後=再生の兆し、と読むことが多いかな。 正位置をポジティブ、逆位置をネガティブ、ってニュアンスで読みたい人は私と反対の解釈をされていることが多そうですが、個人的には“死”を基点に考えたいので上記の感じにしています。死んでからこそ生まれ変われるものね。
破壊と再生という意味で似たような意味を持つものに『塔』のカードがありますが、これは『死』よりももっと物理的に破壊的。どんがらがっしゃん!の後、更地になったところに新しいモノを作ろう……っていう感じなので、『死』とはちょっとニュアンスが違います。『死』は自分自身の終焉と再生、『塔』は周囲の環境を含めた終焉と再生だと捉えるといいかも。
実際に生きていて思うのは、何度か擬似的な死……臨死体験とかそういう大事ではなく、物理的もしくは精神的にどん底を味わったり辛酸を舐め尽くしたり自己の深い深い深い深いところに潜り込んで絶望無力感その他諸々にやられたり、まぁそういう広義の意味での死に直面するごとに再生してレベルアップしていくのだから、死のカードってやつは「そのタイミングが来るよ/来てるよ」って教えてくれるイイヤツ、なんじゃないかと思っています。覚悟してようがしてなかろうがやばいときはやばくなるけどね!ただ、何も覚悟していないよりは1mmくらいはマシかもしれない。
死のカード、私は好きです。意味もそうだけれど、素直に絵柄が格好いいじゃん!?白馬に乗った骸骨の騎士、薔薇十字の旗を掲げて……キャー!カッコいい!!そんなミーハーな気持ちで見てるよ。許してくれよ。
以下の記事で、大アルカナ・小アルカナを一覧でご紹介しています。ご参考あれ!
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