大アルカナの0番『愚者』です。
タロットの旅物語はここから生まれ、果てしない旅路を予感させます。
大アルカナ『愚者』の基本的な意味
- 旅立ちの準備、はじまりのはじまり
- 純粋、無邪気
- 身軽、自由奔放、怖いもの知らず
旅人らしき人物が、わずかな荷物を手に空を仰いでいます。彼は今にも足を踏み出しそうな様子で、そののびのびとした姿からは旅立ちの喜びが感じられます。お供に白い犬を連れ、この犬も前足を上げて能動的に動こうとしているように見えます。空は晴れ渡り、太陽が彼にさんさんと陽のエネルギーを降り注がせます。
また、旅をするには少々派手に感じられる衣服は、外面を着飾る性質=内面を外面で補強する性質を連想させます。まだまだ生まれたてのエネルギーであり、自由ではあるが成熟してはいないため、時に虚勢を張ることもあるのです。
彼の背景には険しい山があり、これから歩む旅路の厳しさを予見させます。目の前の崖を軽やかに飛び越えるか、無謀にも飛び出して落下するかはまだわかりません。
色の要素
- 黄:喜び、祝福
- 赤:情熱、行動力、生命力
- 白:純粋さ
逆位置のキーワード
逆位置はカードの基本的な意味に対して、否定・過剰・不足・未達のエッセンスを示します。
- 旅立ちの準備が不十分
- 無謀、無鉄砲、無責任
- 見掛け倒し、虚飾
イメージ
『愚者』として描かれる人物は、花を片手に崖のきわを歩いていて、全然足元を心配していません。可愛いお洋服を着て最低限の持ち物で、ん~~~と背筋伸ばして空を見て、いかにも気持ちよさそうでしょ?気持ちいいんだよきっと。見ていると私まで気持ちよくなってくるから好きなんだよなぁこのカード。
大したものは持っていないけれど自由。自由だからこそ大したものを持たない。何も持たないからこそ自由、なのかもしれない。何も持たず何も考えず、一匹の犬と共に明るい黄金の空の下、これから飛び立っていく……そんなフリーダムでゼロでまっさらな人です。彼の手には純粋さを象徴する白い薔薇があって、本当に怖いもの知らずなんでしょうね。
そう、実はこのカード、愚者という名前が災いしてか、吉意で出ていてもたびたび「えーーーやだ!」って言われちゃうようなカードでもある。そういう反応があったら、私はすぐさま「いやいや全然いいよ、私はこいつがめっちゃ羨ましいよ!!」って言うんですけれど、まぁFoolですからね。愚者ですものね。おばかさん、って言われているようで嫌かもしれませんね。
そういや知人の彼氏(超ベンチャー気質)についてタロットを引くと、必ずと言っていいほどこのカードが逆位置で出ます。安定志向の知人からすると「勘弁してくれ」ってな話で、毎回毎回「く、くそ!!」と言っています。ええやないか、夢を追う若者。ええやないか。とは私の勝手かつ無責任な意見です。
このケースじゃなくとも、結婚を考えている相手に愚者が逆位置で出た上にめちゃくちゃ思い当ってしまったら、何とも言えない気持ちになるよね。もちろんいいところだってたくさんあるけれど、自由だからこそ不安定で奔放だからこそ無責任にもなる愚者さんは、現代社会ではちょっと生きづらいかもしれませんね。
ただ、足元に「危ないよ!」とか「遊ぼう!」とか言ってくれるワンちゃんがいるので、案外周りに助けられてうまいこと生きていくのかもしれません。
余談だけども、これ、タカノちゃんに描いてもらった「私 feat.愚者」。
良くない?めっちゃ良くない??大変大変お気に入りです!
以下の記事で、大アルカナ・小アルカナを一覧でご紹介しています。ご参考あれ!
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