とっ散らかった要素を占いの文章にまとめる手順

とっ散らかった要素を文章にまとめる手順

文章って、得手不得手に関わらず書かなくてはいけない場面が多々ありますよね。特に仕事の場面では、メールの返信ひとつとっても「要点を押さえて・読みやすく・相手の行動を促す」ように書く……というプレッシャーがあります。

また、文章は文字として残すだけでなく会話として口から出ることもあります。例えばプレゼンのように資料をベースに口頭で補足・説明するタイミングでは、頭の中で瞬時に文章を組み立てて「軸をブラさず・聞きやすく・プレゼンを効果的に盛り上げる」ように話す……というプレッシャーがあります。

占いという分野でも、メール占いならば「書く」という動作で、対面や電話占いならば「話す」という動作で日々文章を生み出し続けることになります。

とにかく、文章は占い師の仕事に必要不可欠なものです。上手く文章を作るコツを知っていて損はない!この記事では、占いの文章づくりにきっと役立つ考え方をご紹介します。

占いの文章を作る前に、まずは情報の整理から!

記事タイトルにも書きましたが、大体の場合は情報がとっ散らかったまま発信しようとするのが失敗の素です。情報を要素ごとにまとめてから文章にするだけでも、そこそこわかりやすい文章になります。

また、目の前にある情報からさらに深い情報を引き出し、その上で整理整頓してまとめると「ただ読みやすいだけの文章」から「納得感のある文章」に発展させることができます。恐らく文章づくりでつまずいたと感じるのは、この「納得感のある文章を書きたい」という欲求があるときが多いのではと思います。

とっ散らかった要素を文章にまとめる手順

せっかくなので、オラクルカードを例に挙げながら試してみますね。

使うカードは、ドリーン・バーチュー著『エンジェルアンサーオラクルカード』です。質問者の要望は「なかなか前に進めない現状を打破したい」とします。

左から、「天使に訊ねましょう」「手放しましょう」「あなたが信じるなら」というカードが出ました。天使というとちょっと宗教観が出てきてわかりづらくなるので、ここでは天使を「質問者に好意的な人物」と捉えましょうか。

これらをそのまま読むと……

「天使(質問者に好意的な人物)に訊ねましょう」:あなたの周りには良い意見を言ってくれる人がいるはずです。その人の意見を取り入れてください。
「手放しましょう」執着を捨てましょう。不要なものは手放すのです。
「あなたが信じるなら」あなたが信じる力を持てば、現実は動き出します!まずは信じましょう!

という感じになります。この段階では表面的な要素を並べただけです。

目の前の情報から、深い情報を引き出していこう

先程のキーワードから、「なかなか前に進めない現状を打破したい」という悩みに合わせてもう少し深く考えてみましょう。今回は「質問者が前に進めない理由」をキーワードに沿って考えていきます。

まず1枚目。以下のような可能性が考えられます。

「天使(質問者に好意的な人物)に訊ねましょう」=相談が足りていない?相談先が間違っている?
誰にも相談せず一人で解決しようとして、行き詰っている
相談をしても意見を聞く姿勢が足りず、ヒントを得られずにいる
アンマッチな相手に相談しており、有効な意見を得られずにいる

続いて、他の2枚のカードからも考えていきます。

「手放しましょう」=手放すべき何かが邪魔をしている?方向転換が必要?
ひとつのことに固執して考えすぎている
集中すべきことを間違えている
既に「やりきった」と言える段階なのに、意識がそうなっていない
「あなたが信じるのなら」=疑う気持ちが邪魔をしている?
周りや自分を「これでいい」と思えず、粗探しをしている
周りや自分を信じられず、うまく踏み出せない

カードを一枚ずつじっくり読めばまだまだ要素は出てきますが、今回は例なのでひとまずこの辺りにしておきましょう。

深い情報をさらにグルーピングしていこう

カードが示す要素を眺めていると、この質問者は外からの意見を受け入れる姿勢が不足しており、疑い深くなって歩みを止めている、と推察できますね。

というわけで、これらを行動のヒントとして捉えられるようさらにグループ分けしてみます。

止めた方がいいこと
アンマッチな相手に相談しており、有効な意見を得られずにいる⇒その相手への相談を止める
ひとつのことに固執して考えすぎている⇒今の視点で考えるのを止める
集中すべきことを間違えている⇒今集中していることを止める
続けつつ改善した方がいいこと
相談をしても意見を聞く姿勢が足りず、ヒントを得られずにいる⇒誰かへの相談は続けつつ、相手の意見で「これはいいかも」と思えるものを積極的に探す
既に「やりきった」と言える段階なのに、意識がそうなっていない⇒行動は続けつつ、新しい段階へ進む
改めた方がいいこと
誰にも相談せず一人で解決しようとして、行き詰っている⇒誰かに相談する形に変える
周りや自分を「これでいい」と思えず、粗探しをしている⇒粗探しからいいところ探しに変える
周りや自分を信じられず、うまく踏み出せない⇒踏み出してから自信がつく!と心得る

はい。これで3枚のカードが示す要素がグルーピングできました。

グルーピングした情報を文章にしてみよう

これらをまとめると、以下のようなアドバイスができます。

(止めた方がいいこと)

まず、考えたり手を動かしたりするのは止めましょう。今までの行動が積み重なっているので、このあたりで一息ついた方がよさそうです。

(続けつつ改善した方がいいこと)

既にやりきったこと、一段落したことを「もう少し」「念のため」と続けてはいませんか?心当たりがあるなら、それらには一旦区切りをつけ、次の段階を模索しましょう。

さらに、今のあなたには、素直に話を聞きたいと思える相談相手が必要なようです。もし誰にも相談していないなら、信頼できる誰かに相談してみましょう。また、相談はしているもののしっくりこない相手なら、相談先を変えましょう。

(改めた方がいいこと)

ここで大切なのは、相手の意見を否定的に捉えるのではなく、その中から参考になりそうなことを積極的に探す姿勢です。相手の言うことをすべて取り入れる必要はないので、まずは素直に聞いてみましょう。

また、あなたの行動を邪魔する考えが胸の中にないでしょうか。周りや自分を疑い、「やらない理由・動けない理由」を探してはいませんでしょうか。少しの勇気で踏み出せそうなことがあるなら、思い切ってそれに取り掛かりましょう。行動は自信を生みます。自信がついてから……と先延ばしにするのではなく、ほんのわずかでも動くことで自信を積み上げられると覚えておいてください。

先程の、カードが表すキーワードを並べただけの状態からは印象が変わりましたね。

さて、「情報の引き出し・整理」というところから文章の書き方を教えてくれる本で、めちゃくちゃわかりやすいものがありますので紹介しておきます。占いは全然関係ないですが、おそらくめちゃくちゃ参考になると思います。

この本は、情報の引き出し・整理の先に出てくる「優先順位のつけ方」「演出の仕方」「自分のブランドに合った表現」みたいなことまで全部書いてくれています。なので、自分自身を売り出すために文章を書きたい!という個人事業主さんに(もちろん占い師さんにも)ぜひおすすめしたい本なのよね。自分の強みとか、どう書いたらいいの!?ってときなんかに役立つと思う。

タイトルどおり「ウェブコピーライティング」に特化した本なので、ちょこちょこ専門的なワードも出てきますが、調べればすぐにわかる単語ばかりなのであまり身構える必要はありません。でもって、本の構成がとても良いのもおすすめポイント!「人にものを伝えるのは言葉だけじゃないんだな」と思わせてくれる素敵な仕掛けが山ほど詰まっています。デザインの目線で読むのもおすすめよ。

文章を演出しよう

文章は、「相手が受け容れやすい状態」で提供しないと、そもそも読んだり聴いたりしてもらえません。相手や場面に合わせて演出するのも大切なのですな。また、自分自身がどのようなキャラクターで世間に接したいか、というところにも文章表現が大きく関わってきます。

文章を整理したあと、演出に気を遣いたくなったときの参考に、以下の記事をご紹介します。

さらに!「エンターテインメント寄りの文章を書きたい!」「イメージ重視の占い文にしたい!」という場合、頭の柔らかいところをたくさん使って、豊かな表現をしていく必要があります。

例として、先ほどのアドバイスの例文を詩的に書き直してみます。

足下を見よ。
君が今立っているその場所は、どんな色をしているか。明るい色か、暗い色か。
恐らく、ぐるぐると多様な色が渦巻いて、暗い闇を映し出しているだろう。

足下を見よ。
君が今立っているその場所は、君自身の場所か。それとも他人の場所か。
事実の領域か、それとも妄想の領域か。
君の前にある爪先は何者か。君を助ける者か、損ねる者か。

足下を見よ。
混ぜ合わさった色から本来の色を見つけ、線を引き、君自身の場所をしっかりと確保せよ。
君を助ける者の爪先を、それから脚を、身体を、顔を見よ。言葉に耳を傾けよ。
そうすれば、君の道はまた眼前に延びるだろう。

豊かな表現は、ひとつの言葉からどれだけの類語や比喩、言い換え etc.を引き出してこられるかが重要です。(上の例がいいかどうかは置いておいて)頭の中でどれだけの連鎖反応を作れるか!これ!大事!

もちろん、連鎖反応を作れるだけの表現や言葉のストックも必要です。そのストックを使って、どのように豊かな表現を引き出すか……はある程度訓練すればできるようになってきます。

その訓練に、私が最近「こいつはいいぞ!」と思った本がありますので、紹介しておきます。こども向けに書いてあるけれど、大人も楽しんでワークできるので、おすすめよ!「こういう思考の展開が小説を作るのか」というのを体験すれば、他での訓練も積みやすくなります。

まとめ

わかりやすい文章づくりは、そもそもとっ散らかった状態を整理するところから始まります。

  1. まずは情報をありったけ引き出す。
  2. 情報を並べ、分類する(この際、もし不要な部分があれば潔く捨てる)
  3. 組み立てる。
  4. 必要に応じて演出する。

この手順を意識して、まずは要素を片付けるところから始めましょう。いきなり演出から入ると、必ずと言っていいほど失敗します。

そして、要素の片付けの道標として「議題のゴール設定」が効いてきます。

下記の記事はめちゃくちゃ占い寄りの表現で「議題のゴール設定」と「話の進め方」について書いております。こちらもぜひ参考にしてくださいませ。

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これも占い師さん・カードリーダーさん向けに書いた記事です。タロット・オラクルカードをお話づくりをしながら読み進めるためのアイディアを書いています。もっともーーっと!「相手の共感を得ながらものごとを伝える」ために、ストーリーメイキングの視点も取り入れると効果的ですよ。

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