大アルカナの8番『力』です。
愛で暴力をなだめ、慈悲で欲望を制する様子を示します。
大アルカナ『力』の基本的な意味
- 慈悲による欲望の制御
- 愛で暴力を無力化する
- 柔をもって剛を制す
草原で乙女が獅子を手懐ける様子が描かれています。乙女は白い衣服に花冠を着けた優雅なたたずまいで、やさしく獅子の口を閉じています。獅子は立派なたてがみと鋭い牙、爪を持ちながらも舌を出し、尾を巻いて乙女に服従しています。
乙女の頭上にあるレムニスケートからは、彼女が無限のエネルギーを持つことがうかがえます。足下に広がる草原は穏やかで、落ち着いて見えます。
乙女の白い衣服には赤い花が飾られ、彼女の持つ純粋さと愛情、情熱を想起させます。獅子のようにどんなに強い力を持とうとも、その力が本能的な暴力に満ちているかぎり、乙女の愛と高い精神性の前にはすっかり力を失うようです。
色の要素
- 黄:喜び、祝福
- 白:純粋さ
- 赤:情熱、行動力、生命力
- 橙:本能
逆位置のキーワード
逆位置はカードの基本的な意味に対して、否定・過剰・不足・未達のエッセンスを示します。
- 理性の敗北、本能の勝利
- 欲望のままに暴走する
- 力負けし、圧倒されている
イメージ
心の中に獅子がいて、それを無理矢理じゃなくて優しい力で抑えていて、うまいことふたりで世間を生きてる、みたいなイメージのカードです。個人的には、あんた今うまくやれてるわよ!大丈夫よ!コントロール抜群!って言ってくれてる感じがするので、このカードは好きです。逆に、今は大人しくとも心の中には獅子がいるんだ、って思えるのも好きです。
獅子の強大な力を、乙女が柔軟な力で抑え込んでいます。まさに、柔をもって剛を制す!無理にコントロールするのではなく、相反するものの相互作用でバランスが取れている様子、といったところでしょうか。
絵を見ると、乙女が獅子をいい子いい子しているようにも屈服させているようにも見えますね。獅子も甘えているのか怯えているのか、大人しいです。しっぽを巻いてるので乙女を恐れているみたいだね。
さてさてこの乙女、どこからやってきてどうして獅子に近づいたのかは全然わからないけれど、それまで周囲のいきものを追い払い、孤独という檻をもって自分の身を守っていた獅子が、乙女の登場によって孤独を失ったのだ。これは大事件だ。
獅子がしっぽを巻いてるのは、乙女のことが純粋に怖いっていうだけじゃなくて、ひとりじゃなくなること自体が怖いのかもしれないな。世界を広げるのはどんな形であれ、それなりの覚悟と怯えが伴うことだものね。
世界を広げるのってすごく労力を使う。それに、力のコントロールは本当に難しくて、過ぎる力は孤独を呼ぶし、抑えすぎると自分がなくなってしまいそうだし、いずれの未来も怖いです。私は。
だからこのカードが正位置で出ると、嬉しくなっちゃう。あぁ今はちゃんとコントロールが利いてるんだなぁ!良かった!って、もしくはそんな未来が来るんだなぁ、って思える。何ならお守りにして持っていたいよね。太陽とセットでさ!
『力』の逆位置の場合は、偏った要素の暴走が起きる感じです。獅子が強すぎて乙女を食ってしまうのか、乙女が強すぎて獅子が消えてしまうのか、とにかくうまくやれていない状態。どちらかが強すぎると、心地よさや安定は失われてしまう。過剰な強さは周りを滅ぼすし、優しさだって行きすぎれば周りを支配しかねない……
その先にあるのって、どっちも孤独じゃないかなぁと思うのです。力の出どころがどこであれ、行きすぎ・やりすぎを感じたらちょっと注意やで!
以下の記事で、大アルカナ・小アルカナを一覧でご紹介しています。ご参考あれ!
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