せっかく目の前に選択肢が差し出されているのになかなか手に取る気にならなかったり、「もうちょっと待って」と焦らしたくなったり……カップの4は、そういう“手に取れるものが目の前にあるのに受け取らない”状態が描かれています。
もやもやもくもく~~の雲みたいなものの中からにゅっと手が出ていて、「ほら、君の欲しいものはここにあるよ?いらないの?」と問われているのに「……いや待ってちょっと待って……」っていう感じですね。
大体こういう感じになるときって、目の前に現れたものが期待ハズレで落胆しているときや、もっといい展開になればいいのに!という期待が叶いそうにないとき、もしくはその状況に飽き飽きしているとき、ではないでしょうか。
要は、“ちょっとした失意が心の底にあるとき”。
これらを踏まえて、カップ 4が示す意味をご紹介します。
『カップ 4』が正位置で伝えてくれること
カップ 4に描かれているこの人は、木の下で悩んでいるのか、地面に置かれたカップばかりを見つめてじーーっとしていますね。
目の前にへんてこな手がもうひとつのカップを差し出しているのもスルーして、じっとしています。個人的には「何だこの手?」って好奇心がうずかないのか不思議です。
というのもこの人、心にグッとくるものが目の前に差し出されるのをじっと待っているのよ。
今目の前にある3つのカップじゃ感情が動かなくて、さらに手が「これでどう?」と新たなひとつを差し出してもまだ満足しない。
せっかちなももねことしては「何でやねん、受け取りなさいよ。他にいい選択肢がないかまだ待ちたいの?ああそうかそれならいいよじっくり待てばいいよ!」と言いたくなります。言わないけど。
そう、冒頭でも書いたとおり、彼は目の前にあるものに対して不満があるからこんな状態になっているのです。
自分の中で何かが納得いってないのですね。
実際に占っているときにカップ 4が出たら、基本的には「今は一旦、周囲と距離を置いて、本当に必要なものが何なのかを考える時期/状態」というメッセージとして読みます。
この「本当に必要なもの」というのは、対象者が持っている期待や希望が適切かどうか、というのも含めてです。自分が想像していたものとズレがあるからといって期待ハズレだと残念がったり、ましてやこんなつまらないもの要らないと拗ねてしまったら、進むものも進まなくなりますからね。
また、このカードのスートはカップなので、特に感情的なことや人間関係に関することにフォーカスして考えるといいです。
例えば恋愛を占っていて、「彼の態度が煮え切らない!気持ちが知りたい!」なんてときに出てきたら、「本当に煮え切ってないんだなぁ……めちゃくちゃ悩んでるなぁ……あなたもちょっと待ってみたら?悩んでくれているのは事実なのだから、彼に時間をあげようよ。」と話したりします(実際にこういう出方をすることが多々ある笑)。
多少なりとも相手の中に失意の念がある状態でやりとりを急かしてしまったら、それこそ諦めや面倒くささに繋がって「もういいよ……」となってしまう可能性もありますし。
逆に、自分がカップ 4状態で、相手が急かしてくるせいで半ば投げやりになっているとしたら、そのうんざりに任せて選択してしまっていいものか、落ち着いて精査することをおすすめします。とにかく今は“感じて、味わう時期”なんやで!
カップ 4が出たときは、まず“事態は早急に動かない”ということを念頭におきましょう。
そしてその要因として「期待ハズレだった」「失敗した」という失意がある、と捉えるとええ感じです。
『カップ 4』が逆位置で伝えてくれること
カップ 4が逆位置で出ると……はい、受け取ってください。受け取る時期です。と読みます。
要は、受け取るか辞退するかを決めるタイミングがやってきたよ!という合図ですね。うんうん悩むのをやめて、次に進む時期。
え?まだ納得がいかない?それでも一旦受け取ろう!前に進もう!
目の前に起きたことがどんなに期待ハズレであったとしても、そこで「だって期待してたのと違うんだもん」と拗ねて動かずにいれば事態は何も動きません。
一度“何か”を選んで歩き出せば、少なからずその不満な状況・飽き飽きとしている状況に変化が起こります。
カップ 4が逆位置で出てきたなら、その変化のスイッチをいれるときがやってきたぞ、と自分に言い聞かせて歩きだしてみましょう。
もし、恋愛などを占っているときに、相手を表すところにカップ 4が出た場合は、失意や落胆で拗ねて動こうとしていなかった相手の気持ちがやっとこさ動こうとしている、という風に捉えるといいね。
下手にアクションを起こすと投げやりになられたり面倒くさがられたりするかもしれない!と心配する時期はもうじき終わりそうですよ、という感じ。
とはいえこのカード単体ではまだまだ動く力は不足しているので、周囲の関係ありそうなところに行動的なカードやポジティブな状態を表すカードが出ていないかも併せて確認してほしい。
例えばペンタクルのナイトが正位置で出ていたら、じっくりと現実的な観点で話し合う姿勢ができてきたとも読めるし、星が正位置で出ていたら、失意から立ち直って前向きな希望が膨らんできている、とも読めます。
ワンド 5やらソード 5が出ていたら……ちょっと攻撃的ではありますが、一応話し合おう(喧嘩になるかも知れないけれど)という雰囲気が出てきていると読めますから、何とか事態は動いてくれそうです。
ももねこ的『カップ 4』の所感
うんうん唸って歩みを止めることも、人生には必要だよね。
カップに限らず、ワンドやソードやペンタクルの4ばかり並べて見ると、とみにそう思うよ(4は大体何らかの区切りです。どのスートを眺めても、一旦そこでエネルギーが止まっております)。
ももねこ的には、転職しようかな~会社辞めたいな~でもな~ともじもじもだもだしているときにカップ 4がよく出てきました。
現状に失意と不満があることだけわかっていて、けれども次の一手をどう取ればいいのか、自分の中でうまくまとまっていなかったのですね。
そんな状態で転職サイトを眺めたりエージェントと面談したり、さらに企業と面接をしに出掛けても、「これだ!」と決めきるのは難しかったです。
実際、その数年後に転職でなくて独立の道を選んでいるので、あの時目の前にあった選択肢はそもそも「何かちょっと違う」ものだったのでしょう。
もちろんこれはいろいろな場面で言えることで、カップ 4が頻繁に出るときは「私は今一体何に不満や不足を感じているのか?」「どういう状態であれば満足してまた活動的になれるのか?」という問いかけをする時期だと思えばいいです。
無理に動こうとしたり、妥協して不本意な選択をしたりする必要はないの。
かといって、「動けないなら……」とその飽き飽きした状況にエネルギーをかける必要もない。ただただ純粋に、「私はどうしたいのか」というのをしっかりじっくり味わえばいいのです。
もし、カップ 4のように立ち止まっている人を見かけたら、無理に発破をかけたり急かしたりせず、「まぁまぁゆっくり考えなはれ」と温かく見守る余裕を持ちたいものですな。