いかにも「守りの姿勢です!!」といった様相のカードですね。表情も固く、肩にもぎゅっと力が入っていそうな雰囲気です。そんなわけで、ワンド 9は、見たまま「警戒心」「防御」みたいなキーワードを割り振られていることが多いです。
小アルカナ『ワンド 9』の基本的な意味

- スートのキーワード:本能・情熱・衝動
- 数字のキーワード:具体的・物理的な行使
身を守るように立てた8本と武器にした1本で、9本の棒が登場しています。描かれた人物は包帯を巻いた姿で肩をすくめて、バリバリの警戒心を感じさせます。この人は今まで戦ってきた実績や実体験を基に、じっと警戒して砦を守っているように見えます。
この人の警戒心には、実はしっかりとした根拠はないと読めます。何故ならスートがワンドで、「本能・情熱・衝動」の上に成り立つもの、と読めるからです。ポコン!と殴られた経験(頭に巻いた包帯)から、「殴られたら痛い!痛いことは避ける!」という反射的な挙動=数字のキーワード:具体的・物理的な行使に繋がっているのですね。
例えるならば、雨の日にたくさん荷物を持って転んだ道を、晴れていて荷物ゼロの状態でまた通るとして、以前転んだ時とはまったく条件が違うのに「また転ぶかも!通るのやめよう!」と過剰に怖がってしまうような感じ。今日は道も乾いているし滑らないだろう、万が一滑ったとしても荷物を持っていないから転ばずに済むだろう、という臨機応変さは持ち合わせていなさそうです。
というわけで、このカードが出たときは、不安が強すぎないか?無根拠に怖がっていないか?という確認をするのがオススメよ。正位置で出ている&周りのカードのコンディションが良ければ、「その警戒心がいい形で働いている」とも読めますが、それでもやはり過剰気味なのは否めません。
仕事にせよ恋愛にせよ、不安が強すぎて反応が過剰になってしまうと、コミュニケーションに支障が出やすくなります。そこまで警戒する必要が本当にあるかどうか、実は勝手に怖がってしまっているだけじゃないか、しっかり確認してみましょう。
『ワンド 9』が逆位置で出たら?
その強すぎる警戒心が裏目に出て、状況が悪くなっちゃうよ、機を逃しちゃうよ!という感じで読めますね。冷静に機を伺っているというよりは、怯えて動けなくなっている感じなので、「今だ!チャンスだ!」というタイミングに乗りにくいイメージです。
「いや、経験上、今は守りの時期だし!」「動かないで待つって決めたから待つんです!」みたいに頑なな態度をとりすぎると、警戒自体が目的化してしまうことにもなりかねません。そうなってしまうと7相手や周りの変化を受け入れられなくなりますよ、機を逃しますよ、という忠告ともとれます。あまりに警戒して緊張してガッチガチになると、どうしても疲れちゃうしね。疲れちゃったらそれこそ何もできなくなるしね。警戒心を解いておいで、そろそろ動き出しなさい、それは余裕ではなく怯えですよ。
と、教えてくれているのかもしれません。
そうそう、ワンド 9の逆位置には「問題の再燃」という意味もあるそうですよ。警戒しすぎて疲弊してしまった結果、それまでに無理やり抑え込んでいた問題がむくむく持ち上がってくる……というのは、十二分にあり得るお話ですね!