タロットカード・オラクルカードの読み方がわからない!どう読んでいいのかわからない!勉強しているけれどいまいちうまく読めない……という声をチラホラ聞きます。カードの意味を断片やキーワードとしては捉えられるけれど、いざまとめるとなると「????」という感じの方が多いのでしょうかね。
今回は、ももねこが考える『リーディングのコツ』についてお伝えします。
リーディングに大切なのは、ストーリーメイキング的発想
要は“お話をつくる能力”を伸ばすのがとっっっっっても大切!ってこと。
以前、別の記事(タロットカードやオラクルカードにゃ種も仕掛けもない)でも書きましたが、私は「カードを並べるまでは神の領域、読み取るところからは人間の領域」だと考えています。個々人の個性や得手不得手の差が出るのは「読み取るところ」であって、カードの出方・並び方は誰がやっても一緒!不思議な力は皆に平等に働いておりますので安心なされよ。
少し話が変わりますが、モノやサービスを売るとき、お客さんの「生活や生き方にフィットするお話」を提示すると、売り物がお客さんにとって“自分ゴト”となって、購買意欲の向上が期待できます。そこにあるだけでは「ふーん?」で流されちゃうかもしれないことも、生活の一部に取り入れたときの様子がありありと想像できるエピソードを提供したり、さらにはメリットを感じられるようなモデルケースを提示すると「あぁなるほどね」となる可能性があるわけです。
これ、リーディングでも同じなの。目の前にあるストーリーの断片(展開されたカードたち)を、自分やクライアントが 「あぁなるほどね」 となるようなストーリーに仕立てるの。そう仕立てられるように、フシギなナニカがカードを並べてくれる。人間はそれを拾って繋げる。リーディングとは、フシギなナニカと人間の共同作業なのであります。
そしてそれを補助するのがスプレッドであり、解説書であるわけです。
目の前のカードから、クライアントにフィットするストーリーを仕立てる
そもそも、ストーリーがフィットするとはどういうことでしょう?簡単に言うと「あーそれわかるわぁー」と言いたくなることでしょうか。これは、クライアントの背景にどれだけ近づけるか?ということでもあります。
占いやリーディングに限らず、一期一会の間柄ではクライアントの持つ背景を熟知した上でストーリーを作るなんて到底無理です。いわゆるコールドリーディング(心理的要素を用いてクライアントが自ら情報を提供するように誘導する技術)をごりごり使えばそれも可能かもしれませんが、私はそんな高等なことはできません。普通に占いしかできん。
私のリーディングを受けていただいた方はご存知かと思いますが、私はこちらからは事情を深掘りしない方式でやっています。誤解を恐れずに言いますと、クライアントの話は「クライアントの話」であって、当然ながら偏りが生じているわけですね。私は飽くまでも占いをするため、占いの純度を上げるため、占いが場に出す要素を最優先にしています。
こういうやり方なので、ストーリーを仕立てる際の前提はとても少なくなります。めちゃくちゃ的外れのことを言う可能性もかなりある。じゃあここからどうするか、ずばり「フィットするかどうかわからないけれど、イチかバチかストーリーを組み立てて話してみる」です!
えっそれ大丈夫なん?って思った?でもね、これが一番いいの。ハズレを気にしたりクライアントに気に入られようとして変に細工したり加減したり遠慮したりすると、それが裏目に出ることが多いです。さすがに「これはがっつりはっきり言ったら不快になるな……」っていうことはストレートには言わず、表現を和らげて伝えた方がいいですが、それはお話づくりの一環だと捉えましょう。
主題が同じでも、ストーリーのテイスト次第で印象はガラリと変わります。例えば桃太郎を下敷きにしてお話を書くとしたら、鬼との戦いに焦点を当ててガツーン!とスリリングなお話にすることもできれば、桃太郎とおじいさん・おばあさんの交流をメインで描いたほんわかハートフルなお話にすることもできます。
で、クライアントの雰囲気や相談内容から、どんなテイストならスムーズに聴いてもらえるかしら?と考える時間を少し取るだけで、ストーリーのフィット感を上げることができます。あと、初対面のクライアントにはとりあえずハートフルなテイストから入る、とかね。お互いに趣味が一致しているならともかく、初デートでいきなりホラー映画は観ないでしょう?そういうアレです。
スピリチュアルな話を挟みますが、チャネリングで情報を引き出すとしても同じですよー!出てきたメッセージを整理するのは人間側ですから、メッセージの翻訳や整理のテイストをコントロールできるように鍛錬しておくと吉、です。
カード占いにおけるストーリーメイキングの練習スプレッド
というわけで、カード占い・リーディングで使える!練習に適したスプレッドと読み方をご紹介します。
まずは、カードを9枚引いて上図のように並べます。ストーリーを意識するため、状況を舞台に見立てて展開します。
クライアントは舞台上にいる存在なので、「舞台装置」に関しての意識が濃いと言えます。どんな環境で、どんな人がいて……というように説明できることが多いです。クライアントを「人物A」「人物B」のどちらに設定するかもカードを引く前に決めておいてね。今回は「人物A」をクライアント=主人公役とします。
「あらすじ」はクライアントから見えている流れとしましょう。台本を渡されて「こういうストーリーだと感じました/感じています」みたいな距離感。
「観客」はクライアントからは遠いものと考えましょう。舞台上にはいない存在がくれる感想には、さまざまなひらめきと発見が含まれています。この部分は最も占いらしい部分かもしれない。
ここから順番に要素を紐解いていきます。映画のサイトやパンフレットを思い出してみてください。多くの場合、まずは世界観から紹介されていると思います。なので、それに倣ってまずは「舞台背景」にあたるカードから読みましょう。
舞台装置、「舞台背景」から読む
「舞台背景」を読んだら、大体の世界観が決まります。例えばここに『ペンタクル 2』が出たとすると、「特別ではない、いつもどおりで現実的な日々のお話」、「登場人物たちのリアルな日常が舞台」と表せます。
舞台装置「人物像」を読む
似た特徴を持った人物でも、世界観によってその動き方や語り方が変わってきます。日頃のジャイアンと映画のジャイアンの印象が違うのと同じです。日頃のジャイアンは「安心安全で穏やかな世界観」にいて、映画のジャイアンは「危険と好奇心の入り混じる世界観」にいますよね。普段はのび太の日常における課題として存在しますが、映画になるともっと大きな課題が現れるので、動き方が変わると言えます。イメージつきました??
例えば「人物A」に『ワンド 7』、「人物B」に『カップ 4』が出たとしたら、今回は『ペンタクル 2』が舞台なので映画版ではなく日常版でのそれぞれを想像するといいですね。『ワンド 7』は普段の生活にまつわるできごとで忙しくしているし、『カップ 4』も同じく普段の生活にまつわるできごとで「ちょっと待って、ゆっくり選ばせて」という状態です。
人物像が動き出したら、一旦「舞台背景」に戻ってみましょう。ストーリーが進むと舞台背景にも変化が起きることがあります。今回の例であれば、『ペンタクル 2』の舞台に『ワンド 7』と『カップ 4』が登場したことによって「いつもどおりの日常が回ってはいるけれどもお互いのペースが合わないタイミング、すれ違いが起きている」という味付けができます。他にも、例えば「安心安全で穏やかな世界観(ワンド 4)」に「強くて無慈悲な人物(ソード 5)」が登場することで「安心安全で穏やかだけれど、悪者もいる世界観」になったりします。
こんな感じで「舞台装置」から世界観を深めたら、次は「あらすじ」を見ていきます。
あらすじを読む
舞台を構成する装置の性質がわかったら、その世界観の上で展開されるお話のあらすじを膨らませていきましょう。
過去『ペンタクル ペイジ』、現在『法皇』、未来『ソード 6』が出たとしましょう。
過去、「人物A」と「人物B」は、共に新しいことを始める立場だったのかもしれません。ゆっくりと着実に経験を重ねながら、その新しいことを育てていく時間が想像できます。
現在、その場には権力と秩序が大きく影響しているようです。新しいこと……過去に立ち上げ進めてきた企画の上に組織が立ち上がり、その場を治める誰かが就任したとも読めます。自分たちの手足で探り探りやる時間は終わり、ルールと指示によって行動が決まるようになった、それが故、「人物A」と「人物B」のペースに差が生まれたのかもしれません。
未来、そんな状況に変化の兆しが見えます。不安定な状況から安定した状況へゆっくりと移動していくような変化、組織の役割や方向性(理論・理屈で判断できる部分)が整理され、役割の変更やメンバーの異動を命じられるのかも。明るく活力に満ちた雰囲気ではないように見えますが、前に進むための動きではあるので、「これからも冒険は続く……!」的なコピーもついてきそうですね。
観客を読む
で、「観客の感想」で締めくくります。「観客って誰やねん」と思うかもしれませんが、これは「フシギなナニカ」です。実際に存在する誰かはみな舞台上にいるのだ。
ここでは「観客の感想A」を「今後の予想」、 「観客の感想B」を 「今回の状況で邪魔に感じたもの」、 「観客の感想C」を「人物A(主役)がこんな感じならうまくいきそう!という期待」とします。
で、観客A・B・Cに会話をしてもらうとまとまりやすいです。
A(運命の輪):これから流れが変わりそう。主人公、うまくやれるかなぁ?『ワンド 7』だし、目の前の忙しさにやられて見逃しちゃわないかな……
B (カップ 6):だよねえ!そこが心配だよ。何か、「昔はよかった」的な空気ない?このままだと良くも悪くも変化しないんじゃね?
C(ペンタクル 9):わかるわかる、過去にこだわらずもっと自信を持って振る舞えばいいのに!「あの頃の私」から進化した自分を自覚せずに、このまま忙しさに流されてるのはもったいないよねえ。
……みたいな。外野だからこそやいのやいのと言えることってあるじゃないですか。それです。やいのやいの。占いで言うところの「アドバイス」や「障害」にあたる部分。
とにもかくにも、ストーリーを構築するための基礎力をつける
何だかんだ言いましたけれど、これが一番大事だと思います。ストーリーの材料は体感や知識、感情、経験から出てくるし、それらを繋いでストーリーを構築するにも感度のよいアンテナや接合・組み立てのテクニックが要るのだよ。ジャンルを問わず多岐に亘って情報や知識を脳ミソに貯めたり、様々な形の感動を味わって情緒をふっくら豊かに育てたり、外に出ていろいろなことを体験・体感して感覚を磨いたり……そういうのが基礎力をバキバキに鍛えてくれると思います。
カードや解説書に描いて/書いてある要素からストーリーづくりに必要な要素をキャッチアップするにも、カードを読む側に知識や情報が欠けているとそれらをスルーしてしまいかねません。「あっここに描いてあるのルーンのフェオだわ……」「これはあの神話の“神の怒りに触れたやつ”だな」みたいにね。もちろん、占いやオカルトの知識以外にもヒントは無限にある。
そして、「何を知るか、見るか、感じるか」よりも「たくさん知る、見る、感じる」のが重要だと私は感じています。ストックに上限なんてきっとないです。やばい、こんなこと覚えてた!脳ミソすげー!って思ったこと、あなたもきっとあるでしょう。脳ミソはすごいんだよ。なので、惜しまずいろいろなものに触れましょう。
ということは、あなたの得意なジャンルをリーディングの個性に繋げることだってできるはずです。料理や音楽や何やかや、自分の知識や情報がたくさん溜まっている分野から説明すれば、個性がキラッと輝く気がしませんか?万人に受けるかどうかは置いといて!笑
ルノルマンカードのリーディング法がまさにこれなんですよ。ストーリーメイキング。特にグラン・タブローは単純に純粋に「お話づくり」です。「グラン・タブロー=大きな絵」の中にいる主人公と、その周りに存在する要素、そして過去・現在・未来……を繋げてお話にしていくのです。カードリーディングにつまづいちゃった人は、一回ルノルマンリーディングの考え方を取り入れて練習してみるのをおすすめします。
こちらの記事でグラン・タブローを読んでいるので、ご興味があればぜひ併せてご覧ください。動画もあるよ。
DUCK WORKSの占い、やってます。
具体的な相談ごとがあるとき、コミュニケーションを取りながら細かく掘り下げて「考えの種」が欲しいときは、占いメニューがおすすめです。タロットと西洋占星術をメインに占います。
京都市の東山三条にある事務所での対面占い、Zoomでのオンライン占いが選べるよ!お好きな方でいらっしゃいませ。