大アルカナの12番『吊られた男』です。
肉体的な受難の中にありながら、神秘体験に自身を委ねる人物が描かれています。
大アルカナ『吊られた男』の基本的な意味
- 犠牲と引き換えに報われる奉仕
- 精神の浄化、瞑想
- 精神の目覚め
十字架に人物が吊るされています。十字架には葉が生い茂り、生命力や未来への展望を感じさせます。
吊られている人物も、肉体は拘束され苦難を受けていますが、頭には後光が射し表情も穏やかです。ただ罰を受けている・災難に遭っているのではなく、超常的な奇跡に遇っているように見えます。また、この人物は足をクロスさせており、彼自体が十字を表しているようです。
色の要素
- 赤:情熱、行動力、生命力
- 青:精神性
- 黄:祝福、喜び
- 緑:生命力、みずみずしさ
逆位置のキーワード
逆位置はカードの基本的な意味に対して、否定・過剰・不足・未達のエッセンスを示します。
- 報われない奉仕、犠牲
- 精神性の欠如、我欲の勝利
イメージ
上では小難しいことを並べましたが、基本的には「今は苦しくてもいつか報われるから我慢しな」って言ってくれるカードです。はっきりとした見通しは立たなくとも、努力を続けていいんだってことがわかるだけでもありがたいもんだ。大成するまでは時間がかかろうとも、「続けていいよ、いつか報われるよ!」って言われたら「あ、そう?なら続けよう!」って気にもなります。
ま、とはいえめちゃくちゃ停滞してるカードなんですけどね。ほら、吊られてるし。手足縛られて全然動けない、進まない。こんな状態であれば「本当に報われるの……?永遠にこの我慢が続くのでは……?」と思うよね。それくらい忍耐を強いられているときに出やすいカードであります。
さて、この人。吊られてるのに笑顔にさえ見えますね……何でかな?もしや、吊られることを苦に思ってないな??この「吊られる」こと自体が現在の彼の存在意義であって、こうしておくことで何かが得られるのでしょう。ぺかーって後光も射してるし、その目的もきっと叶うのでしょう。
この人ね、「自己犠牲の上に精神世界を探求し、悟りに近づいている」という状態、なのですって。なるほど~だからこんなに清々しい顔をしているのね……何が彼をこうさせたやら、とにかくこんな状態になってまで精神世界を探求しようと思ったんだもの。後悔なんぞなくて、これが自分のやるべきことでそれが良い結果に繋がるって信じている。すごく強い!
逆位置で出たら……やめだ、やめ!報われないからやめーー!『吊られた男』の逆位置が出ると、そこまで我慢してやることなくね?って言ってくれてるように思います。恋愛にしろ仕事にしろ、多大な自己犠牲を受け入れてまで成し遂げないといけないことって、そうそうないもん。だから、自己犠牲に酔わずにもっぺん自分の在り方を見直してみ、そしたら軽やかに歩き出せるんじゃない?って、そんな感じに捉えます。
だってねぇ。逆位置のときのこの人、割と楽しそうじゃないですか。苦しそうに見えないし、そのままひらひらっと歩いて行ってしまいそうな……
ということで、無駄な努力や報われない努力、なんて暗いイメージのキーワードじゃなくて。自己犠牲に陥っていないかい、物事の重要性をもう一度考えてみよう、歩いて行こう、って言う感じで捉えればいいと思います。「うっ」てなるんじゃなくて、正座して「せやな」って振り返る姿勢になればいいのだ。落ち込まないで次いこ、次!
以下の記事で、大アルカナ・小アルカナを一覧でご紹介しています。ご参考あれ!
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